DF64グラインダー フラット刃の調整 Burr Alignment

ガイド

コーヒーグラインダーの心臓部はやはり、豆を砕いて切る刃の部分になります。

今日はこちらのDF64などの電動グラインダーに採用されるフラット刃の位置合わせの確認方法と調整方法を紹介していきます。

なぜ調整を気にする必要があるのか?

どうやってずれを確認するか?

ずれていた場合、どうやって調整するのか?

どのくらい気にするべき?効果ある?

この辺りの疑問を解説していきます!

いきなり余談ですが、今だに日本語での呼び方がしっくりきていないのですが、臼なのか、刃なのか。。。?みなさんなんて呼びます?

余談ついでに海外製のコーヒーグラインダーの紹介ページなどにこれがバリって呼ばれているとこ見たことないですか?何で?ってめちゃくちゃ違和感あると思います。

まぁただの翻訳ミスなんですが。この刃のことを英語ではBurrと呼ぶのですが、それを辞書で直訳してバリってなっちゃうんですよね。

英語では同じBurrなんですが、バリは金属とかの加工縁にできるギザギザになった残骸のことです。コーヒーグラインダーの刃とは全く別物。

なぜ調整を気にする必要あるのか?

まずフラット刃がどのようにコーヒー豆を挽くか簡単に図にしてみました。

黄色の部分が刃ですね。上下の刃が向い合わせになる形になり、片側が回転します。(DF64の場合は下ですね。この辺はグラインダーの設計次第です。物によっては刃が垂直方向に立っているものもありますね)

上から豆を投入すると回転している刃の遠心力で外方向に押し出されます。

刃は段々狭まっていくようになっており、まずは少し狭くなったところでざっくりと豆を大きめに砕きます。
砕かれた豆がさらに外側に向かっていく間にどんどん小さく切られて行き、刃の最外周まで到達すると上下の刃の隙間から出ていきます。

この隙間が粉の粒度をコントロールしている形になります。

もちろん細かいことを言うと、隙間より小さいものは出ていくことはできますし、長細い形の粉は一辺が隙間より大きくても出ていきます。そのため隙間のサイズぴったりの粉になるわけではありませんが、粒度調整はこの隙間を広げるか狭めるかで行います。

ここまで来ればお察しかと思いますが、上下の刃がきっちり平行になっていないと、片側は隙間が狭くなり、反対側は大きくなります。

こうなってしまうと、非常に細かいものから大きいものまでバラバラのサイズの粉が出来上がり、粒度の均一性が悪くなります。

一般的には、粒度が均一の方が全ての粉から均等に抽出することができるため、良いとされています。

と言うことで、フラット刃の平行度の調整を行うことがメリットになるわけです。

どうやってズレを確認するか?

調整するには、まずズレているかを確認する必要があります。

めちゃくちゃ精度のいい測定器とかが必要なんじゃない?とか思われた方もいるかと思いますが、ご安心を。

必要な道具は100円で買えます。ホワイトボードマーカーです。

私の持っているDF64グラインダーでやり方を解説しますが、フラット刃のグラインダーであれば基本的には同じ方法で確認できるはずです。

早速、グラインダーを開いて、刃に触れるようにしていきます。

グラインダーを解体するときは必ず電源抜いてくださいね。

DF64の場合は上部の黒い挽き目調整リングを緩めて行って外します。

こんな感じ

上のコーン部分を外すと、それだけで刃にアクセスできるようになります。

うーん、汚い(笑)

とは言ったものの、かなりDF64はリテンション(マシン内に残ってしまう粉の量)少ないので、全然マシなんですけどね。

調整する際に粉が隙間に入ったりすると、調整がズレてしまうので必ず可能な限りクリーニングをしましょう。

まーまー綺麗になったんじゃないですかね。ブラシ、竹串、綿棒あたりが使いやすい。

いよいよズレの確認をしていきます。

片側の刃から順番にやっていきます。今回は下側の回転する刃の方からやっていきます。

ホワイトボードマーカーで刃の最外周にある平らな部分に色をつけていきます。

ちょっと躊躇しますが、心を強く持って突き進みましょう。

あ。でも突き進む前に、油性マーカーを間違って買っていないか試し書き・消ししてからがいいですね。

このように一周ぐるっとつけ終わったら、グラインダーを元に戻していきます。

DF64の場合、この黒いリングをもう一度つけて締めていきます。

これがなかなか難しいのですが、コツはコーン部分を掌で押さえつけながら、黒いリングには上から圧をかけないように回転させて締めていくのがいいです。ネジ部分の噛み合わせをミスるとグラインダーの破損につながるので、注意しながら無理やりやらないように。

あともう一個コツです。

この黒リング、締め始めの0の位置次第で、ゼロポイント(刃の上下が触れる調整位置)の場所が変わります。

なるべくメモリの0が手前側に最終的に来てほしいのですが、締め始めがずれると奥側にゼロポイントができてしまう時があります。

解決方法としては、ゼロポイントが手前になって締まっている状態(出荷時はそうなっているはず)からリングを外す際に、リングがパカッとバネで跳ね上がってきた時の0の位置を覚えておきましょう。(私の場合上の写真の9時方向でした)。そしたら閉める時はこの位置に0を持ってきた状態から締めていけばOKです。

ちょっと、説明難しいですが伝わりますかね。。。

すみません、脱線しました。

グラインダーを組み直したら、手でモーターの軸を回しながら、上下の刃が微かに触るゼロポイントまで調整を締めていきます。締めすぎないように注意です。

ギリギリ触るところを見つけたらそこでモーター軸を1回転させて、もう一度グラインダーを解体します。

そうすると、このように先ほどマーカーで色をつけた部分で上の刃と触った部分の色が落ちます。

このように一周全面的に色が落ちていればOK!

反対側も同じ要領で確認します。

取り外せる側の刃を確認する時は一個追加で注意が必要です。

DF64の様に円形に対称になっている設計の場合、120度回転させてもマシンに問題なく装着することができてしまいます。

動作的には問題ないのですが、今回行っているような微妙な調整をしたい場合、回転させてしまうと調整がそれぞれで異なるので意味がなくなってしまいます。

と言うことで、同じ位置に戻せるように油性マーカーで目印をつけておきましょう。これは消えないようにホワイトボードマーカーは使わないように。

では後は同じ方法で、刃の縁に色をつけて。

もう一回組み直して、ゼロポイントを探して、解体。

こんな感じでした。

若干、右下側が多く拭き取られており、左上が多めに残っている感じですかね。

正直、驚きました。マシンの精度が非常に良くほぼほぼ完璧に平行が取れている状態でメーカーから出荷されているみたいですね。

最外周は綺麗に一周取れているので、このぐらいなら調整する必要はないような気もします。

どうやって調整する?

とはいえ今回は説明も兼ねて、調整を行って完璧を目指していきたいと思います。

調整にはこれまた特殊な道具は必要なく、アルミホイルとハサミだけでOKです。
マシンを削ったりしないので、完全に非破壊で簡単に元に戻せるので安心してやってみてください。

まずは刃を止めている3本のネジを外していきます。

この時、注意!どの向きに刃が付いていたか必ずわかるように外してください

で、このように外したらすぐに油性マーカーで向きを合わせるための目印を書き込んでください。刃の裏と、キャリアの刃を乗せる部分に書くとコーヒー粉に当たらないのでいいんじゃないですかね。

目印を書いたら、隙間から入り込んでいるコーヒー粉を掃除していきましょう。

そうしたらいよいよ調整に入ります。

アルミホイルをこのように小さく切って、刃の裏に挟み込むパーツを作ります。

イメージは簡単で、このアルミホイルを刃の下に挟み込んでマーカーが残っていた側を持ち上げてあげる感じです。

マーカーの残っている場所によって挟む位置を決めます。

位置を図で書くとこんな感じです。刃をキャリアに止めているボルトとの位置関係で挟む場所を決めてください。

アルミホイルは必ずボルトの近くに配置します。

これはボルトの位置で締め付けの力がかかるので、図の一番右下のところのようにボルトとボルトの間にアルミホイルを挟んで、ボルトをきつく締めてしまうと刃を曲げる形で力がかかってしまい、最悪の場合刃にダメージが入ります。(まぁ気にしすぎ感もなくはないですが。。。)

と言うことで、私の場合は上ボルトと左ボルトの間にマーカーが残っているイメージになるので、このように上と左ボルトの外側にアルミホイルを挟みました。

挟むときにもう一つ注意点としては、キャリアと刃の裏側の形を確認して、実際どの部分で支えられているのかを調べてください。

ちょっと写真では分かりづらいかもしれませんが、私の場合は刃の外周が一段厚くなっており、そこでキャリアと密着するようです。ですので外周部にアルミホイルを挟んでいます。

調整したら、また先程と同じようにマーカーでズレの確認をします。

調整後はこんな感じ。僅かに良くなった。。。か?

一周均一に拭き取れている部分が多くなった気がします。

まぁ元々悪くなかったので、分かりづらいですが。。。

ホワイトボードマーカーの成分を飲むのも良くないので、調整が終わったら綺麗に拭き取ってくださいね!

どのくらい気にするべき?効果ある?

結局はここですよね。と言うことで、調整前後で同じ挽き目調整でドリップを淹れてみました。

豆は全く同じものを同じ重さで、お湯量も一緒、淹れ方も可能な限り同じで。Hario Switchで浸漬式で淹れてます。

淹れ終わった後の粉を見てみると結構違いが見れます。

左が調整前に淹れたもの、右が調整後のものです。左側の方が微粉が多く表面にどろっと感があるかと思います。

浸漬後にコーヒーが落ちるまでの時間も、調整前が55秒、調整後が43秒で差がありました。

微粉が多いと基本的には落ちる速度が遅くなるので見た目と一応一致した結果にはなってます。

ただ、1回分しか比較していないので正直調整の効果かはいまいち不明です。

もちろん淹れたコーヒーも飲み比べました。

調整にかなり時間がかかったので、当然調整前のものは冷めてしまっているので、あえて調整後も冷ましてから比較しました。

結果は。。。分からん!!

私にはこの違いはなんとも言えないです。まぁそもそも調整前もかなりいい状態だったので改善幅は僅かだと思います。

気にするべきか?

自分の購入したグラインダーの精度を確認すると言う意味では、非常に面白いのではないでしょうか?

私の持つDF64はコスパキングなので、あまり精度には期待していなかったのですか嬉しい驚きでかなり良かったことが分かりました。

私の個体がラッキーだった可能性はもちろんありますがね。

自分のグラインダーが調整できているか分からず気にしながらずっと使っているよりは、一回確認して必要あれば調整してみる価値は十分あると思います。

まとめとしては、自己満足的にはいいんじゃないでしょうか?

改善前後のコーヒーを言われずに渡されたら絶対に分からない自信がありますが(笑)、自分で調整したことで自分の気分として補正がかかります。

自分の意識ってやっぱかなり物事の捉え方に影響すると思うんですよね。

高いものって高いと思って食べるとなんか美味しい気がするじゃないですか。(もちろん実際美味しいものもありますが。)

そういうことです。

家にこもって一人コーヒーがテーマの本ブログでは、どこまで行っても自己満足!

そろそろ温存しているSSP刃に取り替えていきたいですね。これでも差が分からないとなることが怖いですが。。。

ではまた。

コメント

  1. ty より:

    こちらを参考にしてdf64購入しました!
    その後SSPに交換されましたか?
    そちらのレビューもぜひ参考にしたく…
    SSP購入迷ってます…。

    • naru より:

      読んでいただきありがとうございます!
      SSP multipurposeに最近交換して様子見てます。まだエージングできてないですか、私にはすぐに違いが分かるという程ではないかなと思ってます。。。味覚が洗練されておらず。
      しばらくしたらレビュー書きますね

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