粕谷哲さんのHARIO Switch新レシピ

ガイド

この記事を書いているほんの数日前に粕谷哲さんがYouTubeの方で紹介されたHario Switchを使ったドリップレシピが気になり過ぎたので、早速試して感想を共有させていただきたいと思います。

このレシピの特徴は、なぜ今まで気づかなかったレベルの発想の転換をベースにしたシンプルで実践しやすい手順で、甘味引き立ち・雑味の少ないクリアなカップを淹れられるというものになります。

では、早速。

そもそもHARIO Switchとは?

まず、前提情報として、この抽出方法で使われるHARIO Switchについて軽く説明だけしておきます。

こちらHARIOさんの浸漬式ドリッパーというものになります。

浸漬式って聞いて、うわっ何むずっ、って思う必要はありません。

要は通常のドリップコーヒーのようにお湯をコーヒー粉にかけてすぐにコーヒーを落としていく透過式ではなく、粉とお湯を一緒に保持してお湯に粉を浸しておくことで抽出する方法になります。フレンチプレスとかがこの浸漬式になりますね。

このSwitch、コーン部分の形は通常のV60と同じ形をしていますが、浸漬式を実現するためにコーヒーが落ちる穴のところに栓ができるようになっています。

ちょっとみづらいかもしれませんが真ん中に鉄球があって、それを下げたり・上げたりすることでコーヒーが落ちていくのを止めたり・落としたりできます。

(詳しくはこちらでレビュー書いてますのでご参考に)

通常の使い方としては、まず栓をした状態(コーヒーが落ちない状態)で、コーヒー粉にお湯を全部かけて数分浸して抽出をおこなってから、栓を開けて落とす、という形になります。

私も結構前から愛用しているドリッパーで、ポイントはお湯の掛け方とかを気にせずドバッとかけて放置、ちょっと待ってからスイッチを押すだけというお手軽さです。この浸漬式っていう方法は粉がしっかり浸って抽出を行うため、通常のドリップとかで気にしなければいけないチャネリングによる不均等な抽出などを全く気にする必要がないのがメリットで、非常に安定感のある抽出方法です。

粕谷さんのレシピ

粕谷さんはWorld Brewers Cupの世界優勝経歴もある有名なバリスタさんで、このswitchを販売しているHARIOさんと商品の共同開発などもされています。(公式サイト

そのプロ中のプロが先日ご自身のYouTubeチャンネルで紹介されたレシピが今回の本題になります。

その動画はこちら。ものすごい熱量で紹介されておりこのレシピの自信のほどが伺えます。

詳しくはぜひ動画の方ごらんいただきたいのですが、ざっくりと方法をこちらでも紹介させていただきます。

Ratio: 豆は20g。お湯は280g。

手順

  1. スイッチOPEN状態で、90℃程度のお湯を60g注ぐ。
  2. 30秒経ったら、90℃程度程度のお湯を合計120gまで注ぐ。
  3. ケトルに水を追加して、お湯を冷ます 90℃→70℃程度へ。
  4. 1分15秒のところで、スイッチをCLOSE(浸漬式に切り替え)。合計280gまで注ぐ。
  5. 1分45秒でスイッチをOPEN。
  6. 大体3分で落ち切るぐらいが狙い。

まとめて図解するとこんな感じ。

繰り返しになりますが、詳しい解説はぜひ動画の方にという感じですが、根本にある考え方はコーヒーのいい成分は最初に抽出されて、後半は雑味が出始めてくるというところにあるそうです。

そのため、最初は新鮮な高温のお湯を通していい成分をさっと落とすフェーズ。後半は浸漬式に切り替え、かつ温度も下げて雑味が出るのを抑えて抽出するフェーズとなります。

初めて聞いた時の感想としては、2点の驚き。開始はスイッチOPENなの?!と温度そんなに下げるの?!ってところですね。

浸漬式ドリッパーのHARIOをまず根底からひっくり返して使う、最初OPEN。

蒸らしだけしっかりしたいから最初だけCLOSEして、あとは通常のV60のようにドリップする方法は聞いたことありましたが、まさかの逆。最初OPENからの途中から閉じる。

さらに常識を覆す70℃まで温度を下げにいくという所業。。。普通はどうやって温度を下げないようにするか気をつけるのに。

やってることだけ言えば意味わかりませんが、根底の考え方を聞くと不思議と納得できる方法。

いや、すごいですね。

試してみた

ということで早速試してみました。

今回は私が普段使っているレシピと比較してみました。

この通常レシピ、多分一般的な方法だと思いますが、簡単に書いておきます。詳しくはこちらをどうぞ

Ratio: 豆は9g。お湯は150g。

手順

  1. スイッチCLOSE状態で、90℃以上のお湯を150g全部注ぐ。
  2. 2分経ったら、スプーンで軽く混ぜる。(浮いている粉を落とすイメージ)
  3. 3分経ったら、スイッチOPEN。
  4. 大体4分で落ち切るぐらいが狙い。

同じような図解をするとこんな感じ。

で、この二つの方法で淹れたカップの感想は?

粕谷さんレシピで淹れたものの感想としては、口当たりの良さと後味のスッキリさ。

通常の方も毎日飲んでいるぐらいなので、自分としてはいい方法だと思っているのですが比べると、後味に若干の嫌な酸味というかキシキシ感が残るんです。これが粕谷さんレシピは綺麗に無くなっている。これが雑味と表現されている部分なのかなと、私は理解してます。

粕谷さんレシピはグッと最初に甘味がきて、味わいがはっきりしている感じがあります。それでいてスッと抜けていく。

確実な違いを感じました。

まぁ正直なこと言うと、ちょっと動画で持ち上げがすごかったので、期待上げすぎていた感は若干否めませんが、今後もこのレシピを使って練習を重ねていけばより良さが出るんじゃないかなと感じています。

と言うのも、シンプルでやりやすい方法という触れ込みではありますが、比較対象は粕谷さんの4:6メソッドなんじゃないかなと。4:6メソッドも素晴らしい方法だと思うのですが、確かに非常に難解。それに比べたらかなりシンプルな方法です。

ですが、私が普段使っているレシピに比べたら複雑なのは間違いない。。。途中でお湯冷ましたり色々やることありますからね。

もう少し練習してみます。笑

ぜひお試しあれ。

コメント

  1. nabe より:

    naruさん、こんにちは。私も首都圏在住の30代コーヒー好きエンジニアです。
    ちょうど気になっていた好奇心をそそる実験的な内容が、
    適切な図解と文章量で記事になっていて、とても読みやすいです。
    更新、応援していますね!

    • naru より:

      ありがとうございます! 応援とても励みになります。
      更新頻度遅いですが、また見に来てやってください!

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