早いものでエスプレッソマシンが我が家にやってきてから1年が経ちました。(もしご興味あれば、購入時の記事です)
実は一つ実験も兼ねて1年寝かせた記事がありまして、本日はそれをやっていきたいと思います!
(ごめんなさい、嘘です。やりたいと思っていたのは本当ですがめんどくさくてなかなかやれず、1年という節目を逃したらやばいと思って重い腰をあげた感じです)
タイトルにもありますがエスプレッソマシンのスケール除去をやります。
正直な話、スケール除去するだけなら全然大した手間ではないんです。
ただ実際必要なのか?どのくらい効果があるのか?どのくらいの頻度でやる必要があるのか?
この辺りをボイラーの中の状態を実際に確認して検証したかったので、今回はかなり大変でした。。。
同じような疑問をお持ちの方も多いんじゃないかと思いますので、ぜひ参考になれば幸いです。
では早速行ってみましょう。
スケール除去って?
エスプレッソマシン内、特にボイラーの中に溜まったスケール(水垢)を除去するメンテナンスのことです。
エスプレッソマシンに投入する水には色々なミネラル分が含まれます。代表的なものでいうとカルシウムやマグネシウムといったものになります。
みなさんご存知の通り、水を沸騰させると水(H2O)だけが気化して、溶けていた成分が結晶化して残ります。小学生の化学の実験とかでやったやつです。
エスプレッソマシン内のボイラーでは常に水を沸かしていることになるので、段々とミネラルが結晶化してボイラー内に溜まっていきます。
シンク周りとかで白く水垢が残ることがありますが、ボイラーの中でもそれが起きまくっているということです。
結晶化して溜まると困るのか? めっちゃ困ります。
というのも結晶化するだけなら直接問題はないですが、大きくなった結晶が剥がれて、お湯の通り道の細いところに詰まったりすると、マシンからお湯が出てこなくなったり色々な故障の原因になってしまうからです。
このスケールの詰まりがエスプレッソマシンの故障原因の一番多いものらしいですよ。
特に細い通り道となる3-Wayソレノイドバルブのところに詰まりやすいそうです。こんな部品です。
せっかく高い金を払って入手したマシン、長く使いたいものです。
ということで、スケール除去をちゃんとしてあげましょう!
どのくらいの頻度でやる必要ある?
以前ご紹介したバックフラッシュは結構な頻度で行うべきもので、家庭用マシンなら週1ぐらいでやるべきです。
スケール除去はバックフラッシュほどの頻度で行う必要はありませんが、その分若干面倒ではあります。
ここで困るのがどのくらいの頻度で行えばいいのか?というところになります。
当然どのくらいの頻度でマシンを使っているかというところに左右されますが、それ以上に使っている水の硬度がポイントになります。
水の硬度とは、水に含まれるミネラルの分量になります。
エスプレッソマシンの普及しているヨーロッパやアメリカは結構水道水が硬水(硬度が高い)地域が多いそうで、場合によっては月に1回ぐらいの頻度でスケール除去してとも言われています。
では日本はどうかというと、日本の水道水は大体軟水です。
水に含まれるミネラル分が少ないということは、スケール除去の頻度も低くて良いはず。
ただあまり日本でエスプレッソマシンを使われている方の情報もないので、どのくらいの頻度で行えばいいか分からない。
(当然、多くやるに越したことはないんでしょうか、面倒ですしコストもかかりますからね。なるべく減らしたいです)
実験体になってみた。
ということで、実験体になって1年間スケール除去せずにマシンを使ってみました。
マシンの使用頻度としては時期によってばらつきがあるものの、ざっくり毎日1回淹れていたぐらいになります。
で、大変なのはボイラーの中を見るためにマシンを解体しないといけないということ。
まぁこの記事では結果だけ見せちゃいますね!
こちらがボイラー!
中を覗くと、どん!
もいっちょ。
結構しっかりめに結晶できちゃってますね 笑
いくら軟水と言えど1年は放置しすぎでしたね。
月1まではやらなくてもよさそうですが、3ヶ月ぐらいに1回ぐらいはしておいたほうがよさそうです。
(自分のGaggia Classic Proの中も見てみたいという方は、こちらの記事で解体方法を詳しく書いていますのでご参考にどうぞ)
スケール除去 方法
では、数時間かけて慎重に解体したボイラーを戻せたところで、スケール除去をやっていきたいと思います。
(念のために言っておきますが、スケール除去するだけならボイラーの解体とか必要ないですからね)
必要なものは、スケール除去剤(デスケーラー)です。今回はMEL-F2000というものを使ってみました。
Gaggia純正のデスケーラーもあるのですが一本4000円とかでバカ高かったので、こちらにしてみました。
定期的に実施する必要あるのでなるべくお安いものがいいなと。。。
仕組みとしては、こちらのスケール除去剤は酸性の液体になっており、これを水で薄めてボイラーに送り込むことで結晶化したミネラルを溶かして流し出すというイメージになります。
使い方は簡単で、エスプレッソマシンの貯水タンクに水を1L 貯めて、デスケーラーを丸々一本投入して軽く混ぜます。
このデスケーラー水の入ったタンクをマシンにセットして、電源ON。
スチームバルブを解放して、抽出ボタンを押してポンプを起動し、元々ボイラーに入っている水を押し出しつつ、デスケーラー水を送り込みます。
スチームワンド・グループヘッドから約200mlぐらい水が出たら、抽出ボタンをOFF・スチームバルブを締めて、水を止めます。
電源をOFFして、5分程度待ちます。
酸性のデスケール水がボイラーの中などの結晶を溶かしていくのを待っている感じです。
5分したら、全てのデスケーラー水を使い切るまで上記を繰り返します。
ミネラルを溶かし込んだデスケーラー水を、フレッシュなもので押し出して、待って、繰り返す。
(今回はパッケージの手順通りの5分でやりましたが、長めに置いたほうが効果があるような気もしてます)
数回繰り返して、全てのデスケーラー水を使い切ったら、デスケーラー成分が残らないように一度タンクを取り出して洗います。
洗ったら、タンクに水を貯めてセットします。
あとはボイラー内に残ったデスケーラーの成分を洗い出すために、電源ONして、スチームバルブ解放・抽出スイッチONして水を流していきます。
私はタンク満タン3回分ぐらいを流しました。
いいかなと思うぐらい流したら、グループヘッドから出てきたお湯の味見をしてみるといいかもしれません。
タンクに入れた水と同じ味がしたらきっと大丈夫かと。
これで完了です。
効果はいかほど?
終わったら、当然知りたくなるのがどのくらいの効果があったのかですよね。
ということで、またボイラー解体して中を確認していきます。(2回目は解体の手際良くなりましたね 笑)
では、結果を前後比較でどうぞー。
。。。ん?あれ、思ったほど効果ない?
いや、間違いなく赤矢印の辺りの結晶は小さくなってはいるので効果がないわけではないですが、全然結晶残っちゃってますね。
まぁこれはこのスケール除去剤が悪いとかではなく、そもそも私が放置しすぎて結晶が大きくなりすぎてしまっているのが問題かと思います。
ガッツリ結晶化する前のところはちゃんと取れていますので、ちゃんと定期的に行えば十分効果的だと思います。
この様子からみると、MEL F2000パッケージに記載があるように年に2〜4回ぐらいはスケール除去したほうがよさそうですね。
補足:残った結晶はどうしたか?
結晶化して残ってしまったものは、竹串を使って取り除き、ペーパータオルで拭き取りました。
壁から取って満足して水入れちゃダメですよ!そんなことしたら結晶が詰まってしまうので。
またボイラーの壁を綿棒で擦ったら真っ黒になりました。。。多分金属成分が取れているんじゃないかなと思います。
これも気になったので綿棒とペーパータオルで拭き取りました。
直接メンテでこのぐらい綺麗にはなりました。これ以上やるには、完全に配線とかを外してやらないと無理そうだったのであまり完璧は求めずこのぐらいにしておきます。
これはもしかすると、ボイラーを解体する覚悟があるなら、スケール除去剤を使うより、直接掃除したほうがいいかも。。。?
間違いなく面倒ですけどね。コストはかからないですね。
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