【待望の新シングルドースグラインダー!】EUREKA MIGNON SINGLE DOSE

レポート

みなさん、こんにちは!

つい先日シングルドースグラインダーの大定番、Niche Zeroについて紹介記事を書きました。Niche Zeroからシングルドースグラインダーのニーズに火が付き、いくつか同じコンセプトのグラインダーが市場に出てきておりますが、まだまだ選択肢が多いわけではありません。

ホッパー式のものをシングルドースで使うことも可能ですが、リテンションが大きかったりしてちょっと厄介だったりするみたいです。また、10万円、20万円を超えるレンジの価格帯にはいくつか非常に良さそうなシングルドースグラインダーが存在しますが(Lagom P-64やWeber Workshop EG-1など)、まぁとてもじゃないけど高すぎですね。

そんなところにNiche Zeroのライバルとなり得るグラインダーが今月末頃(2021年10月)どうも延期になっているみたいです、11月末となっています。に登場するということで、EUREKA ORO の MIGNON SINGLE DOSEグラインダー紹介したいと思います。 (追記)無事、発売されました!みなさんのレビューを見ていると、期待があまりに高かった分、悪くないけどうーんって感じですね。最後に発売後の更新を追記しました。

出典:EUREKA

このグラインダーは非常に少ないリテンションを謳い、シングルドースユースを想定しており、65mm フラット臼を備え、かなりNiche Zeroを意識して設計されている(と思われる)グラインダーです。そして何より価格帯が重要で、Niche Zeroと同等もしくは若干安いぐらいの500€ (=65000円程)の予定のようで、今後の大人気グラインダーになるのではないかと思っています。実際に発売されて今は$800 USD(=92000円程)で売られているようです。結構発売前の価格より高くなってますね。。。

まだ発売前なので、メーカーの情報や初期ユニットのレビュー動画などから集めた情報の紹介をして行きます。今後、変更の可能性があることはご了承ください。

EUREKA OROについて

EUREKAは創業1920年、100年以上の歴史を誇るイタリアの老舗コーヒーグランダーメーカーです。フローレンスに工場を持ち、全てのグラインダーをフローレンスにて製造しているそうです。イタリアといえば、エスプレッソの本場。このイタリアベースで長年愛され続ける非常に高品質なグラインダー製造に実績のあるメーカーです。

EUREKAは創業100周年を期に、プレミアムブランドEUREKA OROを開始しました。ちなみにOROはイタリア語で金を意味するみたいです。そしてこのEUREKA OROブランドで発売される二機種目のグラインダーがMIGNON SINGLE DOSEになります。

Niche Zeroの難点として、マシン自体はとても高性能・高評価なのですが、なにせ小さなスタートアップのメーカーが製造しているというところがあり、供給量が非常に少なく手に入れるのが困難というところがありました。この点EUREKAは大規模な有名メーカーで同じような供給問題はないと思われます。(発売当初は少しあるかもしれませんが、何年も入手しづらいということはないでしょう。)

MIGNONシリーズ

EUREKAはこれまで家庭用グラインダーとしてこのMIGNONシリーズで多くのグラインダーを提供しています。サイトの一覧から名前を持って来ただけですが、MIGNON 無印、SILENZIO、SPECIALITA、PERFETTO、DESIGN、MANUALE、CLASSICO、FILTRO、CRONO、BREW PRO と多様のラインアップがあります。(色々みていくと、もっとあるみたいです。。。)これらのモデルは通常EUREKAブランドから発売されています。EUREKA OROブランドとして初のモデルはMIGNON XLというモデルでした。

出典:EUREKA

MIGNONシリーズは非常に人気のあるグラインダーシリーズですが、写真のXLのようにホッパー式のグラインダーでした。シングルドースとして使えるように改造して使っている方も多くいます。ただやはり元はホッパーを想定したグラインダーなので理想的ではなかったみたいです。

そういった環境もあり、EUREKAから元からシングルドースを想定して設計された本グラインダーがかなり期待されています。

MIGNONシリーズはSINGLE DOSE以外、基本全て同じようなデザインをしていましたが、SINGLE DOSEからは大きく変わっています。

SINGLE DOSE 以外のMIGNON 出典:EUREKA

角ばったデザインモチーフはキープしつつも、リテンションを下げるために傾斜をつけた形になっていたり、今までポルタフィルタを持つためのフォークが取り付けられていた粉の出口もドーシングカップ方式になっていたり、木製のアクセントがついたりかなりデザインが変わっています。個人的にはSINGLE DOSEのフォルムの方がかなり好みです。ドーシングカップ置き場となる木製パーツはマグネットで取り付けられており、簡単に着脱し掃除が可能になっています。

MIGNON SINGLE DOSE 出典:EUREKA

MIGNON SINGLE DOSEの機能・性能

名前の通り、シングルドースグラインダーとしての利用を想定されています。ホッパーは45gの容量で一回分には十分な容量です。データはあまりないですが、リテンションも非常に低いと謳っております。

低いリテンションを実現するため、ホッパーの上に取り付けるベローズ(ふいご)パーツも付属します。シングルドース想定のため、他のMIGNONシリーズのモデルの多くについているタイマーを使って挽く豆の量を調整する機能はついていません。この辺でコストを下げれているのかもしれませんね。

出典:EUREKA

臼は65mmのEUREKA製“diamond inside”処理を行なったフラット臼を使っています。説明ページを読む限り実際にダイヤが入った素材という訳ではなく、-193℃という超低温で特殊処理をした素材みたいで、臼の寿命が非常に長いみたいです。

臼は基本的に大きい方が良いとされ、65mmというのはかなり大きい方です。(倍以上の値段がするLagomのP-64も64mmフラット臼)

EUREKAは静音性にも定評があり、60dB以下の動作音だそうです。これは他のモデルの情報ですが、ノイズを漏らさないようにマシン内部にパッキンや静音素材を入れているみたいですね。おそらくSINGLE DOSEも同じようなクオリティで作ってくれると思います。(ちなみにNiche Zeroは72dBとスペックにあります。これでも結構静かな方という評判です。)

モーター回転数は1650RPMで結構高速寄りだと思います。一般的にフラット臼の方が高速で回転させる必要があります。(Niche Zeroはコニカル臼で330RPM)高速回転の方がグラインドスピードは当然速くなり、このグラインダーも2.3 ~ 3.3g/secという高速でグラインドができるとのことです。

粒度調整は上面右手前に見える黒いダイアルで行います。多くのグラインダーは臼の上の刃を抑えるける部品全体を回転させる方式で調整を行いますが、MIGNONシリーズは上の刃は固定で下の刃をこのダイアルで調整するみたいです。この構造により、メンテナンスをした後も同じ粒度調整をキープできるとのことです。

精度の高いステップレスダイアルを使っているようで、非常に細かい調整が可能です。エスプレッソ用途には非常に重宝される機能ですね。一応フィルターコーヒー用の粒度にも対応しているとのことですが、そのレンジでの性能は発売されてから色々な方のレビューでチェックしたいポイントですね。ダイアルは細かいようなので、フィルターレンジまで行くにはダイアルを複数回転させる必要があるかもしれません。

グラインダーのサイズは321(H) x 128(W) x 260(D)mmでNiche Zeroと比べると奥行きがちょっと深いですがそれ以外はほぼ同じサイズです。重さは7.2kgで、Niche Zeroの4.2kgに比べるとかなり重いようです。一概には言えませんが、こういうものは重い方がいい素材・いい作りをしていそうですよね。

まとめ

総合的に見て、EUREKA MIGNON SINGLE DOSEはかなり魅力的なグラインダーなんじゃないかと思います。

個人的にはポイントは、まず大きいのは価格で10万円を大きく下回るレベル(日本で購入したらどうなるか分かりませんが)ということ。そして非常に品質に定評のあるメーカー。大型のフラット臼。デザインも非常に好み。これはめちゃくちゃ期待ですね。

正直価格情報が出てくるまでは余裕で10万円を超えてくるのだろうなと思っていたので、最近になって価格情報が出てきて嬉しい驚きでした。

あとは発売されてからの評判を聞く必要はありますが、かなり有力な候補だと思います。今まで不動だったNiche Zeroの人気を奪ってもおかしくないと思います。

発売後 更新

発売されて多くの方のレビューが出てきております。

反応は様々ではありますが、共通しているのが期待程ではなかったというがっかり感が伺えます。

作りはEurekaさんなので問題ないようでしっかりしており、出来上がりのコーヒーのクオリティは非常に良いそうです。

ただ使い勝手の面で多くの指摘が出ています。

一つが、モーターのうるささと振動の大きさ。モーターが傾いていることが原因かもしれませんが、かなり振動するようです。また音も他のEurekaグラインダーより圧倒的にうるさいと。。。改造して中に振動防止のクッション等を仕込む人なとが出ています。

もう一つが、ホッパーについているシャッター部品の作りについて。基本回転している臼に豆を投入する方が、豆を投入した状態で臼を回し始めるよりモーターへの負荷が少なく良いとされています。このためホッパーにはシャッターがついており、閉じた状態で豆を入れて(シャッターに防がれて臼には落ちない)、モーターをONしてからシャッターを開ける、という使い方が推奨されています。

毎回触ることになるシャッターが作りがいまいちのようです。ホッパーとサイズがぴったりすぎて開け閉めが非常にしづらい上に、シャッター部品の縁が切ったままの断面で鋭く触りたくないとのこと。これもヤスリで若干薄く削ったり、縁を滑らかにしたり改造していました。

グラインダーの性能としては非常に良いようですが、この辺りの使い勝手がどうもイマイチみたいで、使い勝手最高と言われるNiche Zeroにはやはり一歩及ばずという印象が強いです。性能にフォーカスしがちですが、毎日使う道具なのでこの辺りのワークフローは重要視した方がいいと思います。やっぱり使っていて楽しいものの方が所有欲満たされますもんね。いくらできるコーヒーが完璧でも、面倒なグラインダーはあまり良くないです。

もちろんEurekaさんがこの辺りのフィードバックを受け、改良版を投入してくるものと思われます。改良版が出るのを待つというのは手かもしれませんね。

かなり期待していたのですが、現時点ではちょっと私としてはコレジャナイ感があり、購入候補から外しています。

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