【電動グラインダー紹介】ー時代を作ったグラインダー Niche Zero

レポート

みなさん、こんにちは!

最近ちょこちょこエスプレッソマシンの紹介記事を書いてきましたが、マシンに合わせるグラインダーの紹介もしていきたいなと思います。

何度かかきました、エスプレッソの出来にはマシンよりグラインダーの性能の方が大きく影響してくるとも言われます。(もちろんしょぼしょぼのマシンでないことは前提ですが)ということで、エスプレッソマシンを購入する際にはグラインダーも合わせて検討する必要があります。

ということで、今回はシングルドース、ゼロリテンショングラインダーの時代を作ったと言っても過言でない、超人気電動グラインダー Niche Zeroの紹介をしていきたいと思います。

私はNiche Zeroを所有しておらず、本記事はあくまで紹介でレビューではありません。もちろん購入候補の上位には入っていますが、本記事では購入の検討をしている私の視点からNiche Zeroについて見ていきたいと思います。

出典:Niche

製品背景

Niche Zeroは2017年にIndigogoというクラウドファンディングサイトでできたグラインダーです。なんと17億円もの出資を集めたプロジェクトです。

イギリスの親子の会社で設計・製造されており、今時点でもこのNiche Zeroグラインダーがこの会社Nicheの唯一の製品です。

まだ小規模の会社で製造されており、またあまりの人気商品のため発売から4年程経った今でも在庫不足が続いている商品で、数ヶ月待ちは覚悟したほうがいいと思います。

最近日本での販売も開始されてており、日本向けの製品ページも準備されています。日本での正規代理店はBathtub Coffeeさんのようですが、今日時点では製品ページがなくなっているようです。供給不足からなのでしょうか。。。?

定価は£500で、日本円にそのまま換算すると75000円です。もちろん、輸入費用などが乗ってくるので、日本で購入するとそれ以上になります。10万円程度になっているようです。

当然安いものではありませんが、性能・作りを考慮すると非常にコストパフォーマンスの良いグラインダーと評価されています。

特徴

ゼロリテンション・シングルドース

名前からも分かるように、Niche Zeroの特徴はなんと言ってもゼロリテンションです。

ゼロリテンションとは、グラインダー内にコーヒー豆が残らないということで、投入した豆がそのまま全て挽かれて出てくることを意味します。まぁ厳密に言えば完璧に0gと言うわけではなく、0.2g以下と言う感覚のようですがこれ以上を求めるのは相当厳しいレベルで、実質ゼロと言っても問題ないレベルです。

グラインダーに豆が残らないということは、必然的に毎回使いたい量の豆を測って投入するシングルドース式のグラインダーになります。

今までの多くの電動グラインダーというのは、ホッパーという豆を貯めておく容器があり、モーターを回す秒数などから一度に挽く豆の量を調整するという利用方法を想定したものが主流でした。家庭で使うことを考えるとシングルドースでゼロリテンションというのは非常にメリットがあり、このNiche Zeroの登場を機に大きく関心を集めるスタイルのグラインダーとなりました。Google Trendsで調べたシングルドースグラインダーの検索件数トレンドです。明らかに2017年ごろ以降から増えてきています。

Niche Zeroがトレンドを作ったのか、トレンドに合わせてNiche Zeroが作られたのかは定かではないですが、間違いなくシングルドースグラインダーの代表格となるグラインダーです。

ゼロリテンション・シングルドースは家庭での利用を考えると多くの利点があります。

まず、家庭ではそれほど多くの量のコーヒーを1日に淹れることはありません。そうすると、ホッパーという密閉されていない、光も当たる環境にコーヒー豆を何日も置いておくというのはあまりよろしくありません。毎回必要な量を測って投入し、豆は別の場所で保管するほうが良いです。

またリテンションが少ないというのは色々な豆を使ったり、抽出方法を頻繁に変えたりする環境では非常にメリットがあります。なぜかというとグランダー内のリテンションが多いと、挽き目調整を行った後に以前の挽き目で挽かれてグラインダー内に残っている粉を押し出すために、豆を無駄に挽くパージという作業が必要になります。パージで挽いた豆はもちろん使えないことはないですが、挽き目がバラバラになるので調整のためには使えず無駄になります。リテンションの多いグラインダーだと10gとか20g挽かないと新しい調整の挽き目が出てこないこともザラです。

ゼロリテンションであれば、挽き目を調整したあとすぐに調整後の挽き目の粉が出てきます。豆を無駄にしないという意味でも、作業時間の観点でも大きな利点になります。

エスプレッソ抽出では挽き目調整が非常に重要になるため、この機能が特に重宝されます。またエスプレッソとフィルターコーヒーを頻繁に行ったり来たりする場合もほぼ必須の機能と言ってもいいでしょう。

エスプレッソ用グラインダーについては、こちらの記事で詳しく書いていますので、もしよろしければ見に行ってみてください。

シンプルで使いやすい

Niche Zeroの機能はこれ以上なくシンプルです。引き目を調整するダイアルと、ON/OFFのスイッチしかありません。

挽き目はメモリは書いてありますが、ステップレスの無段階調整です。エスプレッソ用には重要な機能です。

ダイアル部分  出典 :Niche

シンプルな作りですが、非常にしっかりとした作りをしているようです。

筐体はアルミ製のボティにアクセントとして木製のパーツがあります。デザインの好みは人それぞれですが、グラインダーとしては珍しい曲線を主体とした美しい形状になっていると個人的には思います。

性能面ももちろんですが、使い勝手の面で称賛されることが非常に多いグラインダーで、シンプルだけど良質なインタフェース、安定性が抜群のようですね。製造している会社、Nicheはこの製品しか出しておりませんが、オーナーは今までも色々な製品設計・製造に携わってきた方のようで品質については素晴らしいようです。

また使い勝手の面でよく上がるのが、付属品としてついてくるドーシングカップです。

豆を測るのに使ったり、挽いた豆をキャッチするために使う金属製のカップです。

出典 :Niche

ただのカップではあるのですが、サイズが一般的なポルタフィルターのサイズ58mmにぴったり収まるように設計されており、豆を挽いたあとポルタフィルターを被せてひっくり返すことで綺麗に粉を移すことができるというデザインです。また被せたまま少し振ってやることで粉の塊もほぐすことも可能です。

出典 :Niche

この辺りのワークフローもしっかり考えられて作られている製品である点も、このグラインダーがこれほどまでに愛される理由の一つみたいです。

Mazzer製 63mm コニカル臼

Niche Zeroは臼製造に長い実績のあるMazzer製の63mmコニカル臼を使用しているそうです。もちろん金属製です。

コニカル臼の中ではかなり大型のものになります。基本的には臼刃は大きいほうが良いとされます。1回転で多くの豆を挽けるので早く豆が挽けたり、逆に同じスループットの場合は回転数を抑えられるので、臼の加熱を抑制できたり、静穏化できたりします。

同じMazzerの63mm臼を使ったグラインダーも存在しますが、Niche Zeroより2倍以上の価格になるので、その意味でもコスパが良いと言えます。(まぁグラインダーの性能は臼だけではないので、直接比較してもしょうがないですが)

この臼は、エスプレッソはもちろんのこと、フィルターコーヒーに使用するような少し荒目の挽き目も十分にこなすということです。エスプレッソもフィルターも両方できると謳うグラインダーは多いですが、そのうち多くはどっちつかずの性能になってしまっているようですが、Niche Zeroに関しては本当に両方に使えると評価している方が多かったように感じます。

弱点?要望?

大人気のNiche Zeroですが、完璧かと言われると、欲をいうといくつか気になるポイントはなくはありません。

個人的に一番気になるのがコニカル臼であるという点ですね。

一般的にはハイエンドの電動グラインダーにはフラット臼が使われることが多いです。フラットの方が挽き速度が早かったり、均一に挽き目を揃えられると言われたりします。コニカルの方が構造的にはリテンションが少なくなるという利点があります。

コニカルかフラットかで明確にどちらがいいというのはないようです。色々な意見があり、個人の好みによるところが大きいみたいです。

もちろん色々な方のレビューからNiche Zeroは全く性能としては問題なく、とても品質の高い均一な挽きを実現してくれるみたいなので、心配する必要はないのですが、なんとなく私はせっかく高価なハイエンドグラインダーを買うならフラット臼のものを使ってみたいなと思ってしまいます。というのも、ハンドグラインダーは全てコニカル臼ですしね。

もう一点よく要望として上がるのがホッパーの容量です。もちろんシングルドースグラインダーなのでホッパーに豆を溜め込むという用途はないのですが、一度に55g程度以上を入れることができないみたいで、1Lとか大量のコーヒーを一度に淹れたい時は2回に分けて豆を挽くことになるかもしれません。私はそんな量の豆を一度に挽く機会は全くないので、この点は気にならないと思います。

あと最後によく聞く不満が、挽き目調整のメモリが荒い側で若干足りないというコメントです。メモリの範囲外でももちろん挽くことは可能なのですが、メモリがないためChemexなど非常に荒い挽き目を使う場合の調整が若干面倒になることもあるみたいです。最悪自分でメモリを書けばいいみたいですが、ちょっとためらいますよね。そこまで荒い挽き目を使うことになるのかは人次第だと思います。私は多分使わないですかね。。。

まとめ

Niche Zeroは家庭用の電動グラインダーとしては近年では一番人気と言ってもいいのではないでしょうか。性能も申し分なく、エスプレッソもフィルターもこなし、作りも非常によく、ダメおしでコスパもいいと来たらまぁそうなりますよね。

唯一の課題が入手性ですかね。今日本で購入するのは難しいかもしれません。輸入する覚悟と数ヶ月待つ覚悟があればなんとかなりそうです。

最後に一点。日本でも販売がされている(今はないのかも?)みたいですが、ちょっと残念なのが日本モデルはメモリのところの表記がカタカナになっているみたいなんです。。。そこはかとなくダサい。。。表記を変えるのは供給面的にもプラスがないはずなのに、何故わざわざそんなことをしてしまったのか。。。もし私が購入するとしたら海外モデルを輸入する気がします。

他にも目をつけている候補がありますので、追々記事書きますね。

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