【抽出パラメータ 2/7】比率: コーヒー粉とお湯の量

実験

みなさま、こんにちは!

コーヒーの抽出パラメータシリーズの第2回目では、コーヒー粉とお湯の比率についてご説明します。シリーズまとめページもぜひご覧ください。

調整の基本

比率は使用するお湯の量に対して使用する粉の量のことをいい、Dose(ドース)と呼ばれたりします。まぁ当たり前ですが、基本的には比率を上げれば(粉を多く使えば)濃いコーヒーが出来上がります。

比率は重さグラムで考えましょう

比率を考える上で重要なことが、どうやって測るかになります。コーヒー豆の量を測るときは重さ・グラムを使って測ることをお勧めします。

こう言われると、逆に他のやり方があるの?と思われた方もいらっしゃるかもしれません。この別の測り方が体積で測る方法です。ドリッパーなどを購入すると計量スプーンがついてきて、スプーン一杯につき何gのお湯を注ぎましょうというような説明のされ方をしている場合があります。

では何故体積ではなく重さで測った方がいいのでしょうか?これは再現性を高めるためです。

体積で測った場合、豆の形の問題があります。大きい豆もあれば小さい豆もあります。大きい豆をスプーンですくったら当然隙間が多くなり実際に入っている豆の量は少なくなります。極端に言えば、豆を挽いたあとの粉で同じスプーンで一杯分すくったら下手すると豆の状態の倍ぐらいの量になることさえあり得ます。あとそもそも豆をすり切り一杯というのもほぼ気持ちの問題ですよね。正確性なんてあったものではありません。

これに比べ、重さで測れば豆のサイズや形が異なっても関係ありませんし、挽く前も後も重さは変わりません。また重さはスケールを使うことで数値として現れるので細かい調整が遥かにしやすいです。体積で豆の量を調整することを想像してみてください。スプーン2.3杯分が最適だ!とか、何言っているだ。。。となりますよね。

豆の量はスケールを使い、重さで測りましょう

ということで、美味しいコーヒーの追求のためにはスケールが必須アイテムになります。

スケールは家に元々あるかもしれません。始めたうちはこれでも大きな問題ではありませんが、いずれはコーヒースケールを購入することをお勧めします。コーヒースケールは主に2つ特徴があり、1つは0.1g単位まで測れること、もう一つはタイマーがついていることです。タイマーは最悪スマホのストップウォッチで事足りますが、0.1g単位の測定ができるスケールはぜひともほしいです。

何故ならコーヒー豆の重さは大体10gとかの量で使っていきます。このときに1g単位でしか測れないということは誤差が最大1gとなり、約10%の誤差がでてしまうことになります。要は9.5g ~ 10.4gが全部10gとして表示されてしまうということです。10%も毎回ずれていれば再現性が高いとはとても言えません。0.1gまで測れるスケールを使うことで誤差を1/10の1%まで下げられ、再現性は大きく向上するでしょう。

気にすべきポイント

ここで気にすべきなのは、コーヒーの粉から溶け出す成分に抽出しやすいものと抽出しにくいものがあることです。比率を高めると抽出しやすい成分が大量にあるためこの成分ばかりが抽出されて、抽出しにくい成分がほどんどでないことになります。溶け出しやすい成分が一番美味しいとは限らないので単純に粉の比率を増やせばいいじゃん、という訳にはいかないのですね。逆もまた然りで、比率を下げて粉から成分を抽出し過ぎてしまうとえぐみが出ると言われます。

個人的には比率でもう一つ気にしているのが、一杯のコーヒーあたりのコストです。これまた当たり前ですが、200g 1400円の豆を使った場合、9g使えば63円、15gで105円、18gで126円と結構一杯あたりのコストに差が出てきます。数gの差であれば意外と出来上がりに差がないこともあります。私は、一杯126円のコーヒーを1日に何杯も飲むというのは若干気が引けるので、なるべく比率は抑え目で美味しいコーヒーを淹れるところに注力したりしています。

もう一つ覚えておくと良いのが、豆の焙煎度合いによって体積あたりの重さが変わるということです。深煎りの豆はより長時間煎られているため水分が多く飛んでおり、浅煎りの豆に比べ軽くなります。このため基本的には浅煎りの豆を使う場合の方が豆の比率を少し上げてあげた方がいいと思います。

直接、比率ではないですが利用する器具によっては単純に粉の量が重要になる場合もあります。例えばドリップをする場合に粉の量が少なすぎるとドームの形成がしづらく難しいとか、モカポットなどは器具のサイズに対して適量の粉の量があります。

余談ですが、同じドリップコーヒーと言えど国によって推奨されている比率が結構違う印象があります。当然色々な推奨が書かれているので見る場所によって違いますが、日本ではお湯100gあたり9g~10gぐらいの比較的高い比率が推奨されているケースが多いように思います。アメリカ・イギリスなどのガイドを見ると6g~7gぐらいで推奨されている場合が多いです。(ここは完全に私の感覚なのであまり過信しないでほしいですが)

この理由としては、ドリップコーヒーの淹れ方が日本とそれ以外で結構違うからみたいです。日本ではドームを作ってこれを崩さないで淹れる方法を使われている方が多いと思います。私も最初はこのイメージでした。ですが、海外では大きく異なりドームなんていう概念はなく、お湯を入れた後混ぜたり揺すったりする手法が多いです。(ちなみに使っているのは同じ日本発祥のHARIO V60ですよ)こういった違いも面白いですよね。

他パラメータへのリンク

他のパラメータは下記の記事で解説しております。ぜひご覧ください。

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