【比較】HARIO V60 淹れ方ガイド 3選

ガイド

みなさん、こんにちは!

みなさんは普段ペーパードリップをする際にどのドリッパーをお使いでしょうか?世界的な大定番のHARIOさんのV60ドリッパーを使われている方が多いのではないでしょうか?私もその中の一人です。

このV60の非常に面白いのが、さまざまな淹れ方があり、この淹れ方次第でコーヒーの味わいを調整できるという点かと思います。

今回は数ある中から個人的に面白いと思っている3方法を紹介させていただきたいと思います。

  • James Hoffmanさん方式
  • 粕谷哲さんの4:6メソッド
  • ドーム式(日本式?)

大前提として、正しい淹れ方というのはないと思っていまして、豆などに合わせて方法を変えてみたり、色々な方法を参考に自分の好きなように調整していくのがいいと思います。

では早速、三種類の方法を解説しながら淹れていきましょう!

今回は全て150gのお湯を使い淹れて比較していきます。豆は堀口珈琲さんのLCFマンデリン フレンチローストを使いました。(こちらのレビューも書きますね。) 

James Hoffmanさん方式

James Hoffmanさんは有名なコーヒーYouTuberさんです。2007年のWorld Barista Championとなっている方で色々とコーヒー関連の活動をされている方です。毎回大変興味深い動画を投稿されており、全てチェックさせていただいています。めちゃくちゃおすすめなので、詳しい紹介はこちらをご覧ください

こちらの動画で紹介されている彼が考案されたV60抽出方式は、グースネックポットが必要なく、シンプルさが非常に魅力的な方式だと思います。

コーヒー粉は、100g辺り6g程度を推奨されています。これはもちろん好みで調整するべきとコメントされてますが、今回は習って6gの比率で淹れていきます。今回3方式共通で150gのお湯を使いますので、9gの豆を挽きます。

挽き加減は中細挽きです。挽き加減はなかなか伝えるのが難しいですが、約1mm弱の粒度ですかね。

まずV60にペーパーをセットし、コーヒー粉を入れる前に湯通し(リンス)します。これはペーパーの紙っぽい味を洗い流す目的と、ドリッパーの予熱をする目的があるため、お湯で行うとベストです。リンスして落ちたお湯は捨ててくださいね。(たまーに忘れます笑)

粉をV60に入れたら、揺すって平にしたのち、指で真ん中に窪みを作ります。これはブルームフェーズで粉に均一にお湯が行き渡るようにするための工夫です。

準備ができたら、スケールをクリアして、タイマー開始して、お湯をかけていきます。使うお湯は沸騰したばかりのお湯が推奨です。特に浅煎りの場合は可能な限り高温で抽出を手助けします。抽出がしやすい深煎りの場合は少し冷ましても良いです。

まずは蒸らし時間、ブルームフェーズ、のために粉の量に対して2倍のお湯をかけます。(今回は9g粉を使っているので、狙い18g)

なるべく全面に行き渡るようにかけますが、湯量が少ないので粉が乾いている部分が残ります。かけたら、ドリッパー全体を持って揺すってお湯が満遍なく行き渡るようにしてください。

このブルームフェーズはほとんどの手順で入る工程ですが、目的はコーヒー粉の中に焙煎時に生成されて閉じ込められている二酸化炭素を放出させることです。新鮮な豆、また深煎りの豆ほど二酸化炭素が多く、膨らみます。

この方式では45秒ブルームフェーズで待ちます。

開始から45秒後にお湯を足していきます。まずは目標の湯量の60%になるまでのお湯を、1分15秒までに注いでいきます。今回150gのお湯を使うので、90gになるまで注ぎます。粉がひたひたになる感じになります。

ここでのお湯の注ぎ方ですが、弱すぎても強すぎても良くなく、適度に粉が混ざり合う感じがいいとのことです。V60の壁ではなく粉の上に円を書くように注いでいきます。はっきりとした目安がなく申し訳ないですが、あまりにゆっくり慎重に注ぎすぎるとコーヒー粉のベッドが崩れず、長すぎる抽出になり不要な味まで出てきてしまいます。逆に勢い良すぎると、ベッドが崩壊しお湯がコーヒー粉をすり抜けて落ちてしまい、弱い抽出になってしまいます。一度に抽出する量にも影響されます、今回みたいに少量のバッチでは粉のベッドが小さいため、より慎重目に注いだ方がいいです。ここは何度か試してベストな注ぎ方を研究してください。

1分15秒までに60%の湯量を入れたらコーンに結構お湯が入った状態になるはずです。次のフェーズでは1分45秒までに100%の湯量ゆっくりとこの湯量を保つイメージでお湯を注いでいきます。お湯の量を保つことでこのお湯と粉の混ざり合ったスラリーの温度を保つことが目的です。

注ぎ切ったら、スプーンでコーンの上部を軽く1回転、逆に1回転混ぜてください。これは粉をコーンの壁から落とすことが目的です。

(場合によってはこのステップはスキップしてもいいかなと思いました。今回のように粉が少なめの場合は同じ目的の次のステップにとんでもいいと思います。)

コーン内の湯量が下がってきてできるようになったら、またドリッパーをつかんで円状にゆすります。

これもコーンの壁についた粉を落とし、最終的にフラットなコーヒーベッドを作ることが目的になります。

あとは、最後までコーヒーが落ちるのを待ち、完成です。

この方式で味わいを調整する場合は、粉の挽き目調整で行います。

もしコーヒーが薄くボディ感がなかったり、酸味が強かったりする場合は引き目を細かく調整してください。基本的にはなるべく細かくする方向に調整をしていきます。あるところで急に苦み・えぐみの壁が出てきます。そうなったら、一歩手前に戻った場所がベストです。

粕谷哲さんの4:6メソッド

続いての方式は、2016年 World Brewers Cup優勝者の粕谷哲さんの考案された4:6メソッドを試してみます。

こちらの方法はHARIOさんの公式Youtubeチャネルに粕谷さん本人による手順動画が紹介されている、HARIOさんお墨付きの方法になります。

まず使うコーヒー粉は、300gのお湯に20gの比率です。今回は半分の150g対10gで抽出します。

挽き加減は結構荒めのフレンチプレス程度の粒度が狙いです。(私はTIMEMOREのSLIM PLUSグラインダーを使い、先ほどのJames Hoffmanさん方式で使った設定の+4clickにしました)

4:6メソッドの名前の由来ですが、これは使うお湯の量を4:6に分けて、最初の40%の量でコーヒーの味わいを調整し、後半の60%の量で濃度を調整するというところから来ています。

今回はこの方式の基準点となる方法で抽出しました。この基準となる調整では、お湯を5等分して注いでいきます。今回150g使っていますので、30gずつです。この30gを45秒おきに注ぐ、これが基準になります。

まずは、ペーパーをセットしてリンスします。

コーヒー粉を入れたら、最初のお湯を注いでいきます。30gです。で、45秒待ちます。注ぎ方は粉に満遍なくかかるように回しながらかける感じです。

そうしましたら、再度30g注いで45秒待ちます。

これを5回繰り返して目標の量に到達し、全てお湯が落ち切ったら完成です。

毎回30gしか注がず、次注ぐまでに大体落ち切ってしまうので水位はほとんど上がりません。ひたひたというところまで行かないので粉も大きく暴れずに抽出が終わります。

説明は非常にシンプルで分かりやすく思えるのですが、実際やってみると色々こんがらかって実は難しいです。45秒というのがまず中々厄介で、0秒、45秒、1分30秒、2分15秒、3分と地味に分かりずらいタイミングになります。また30gずつ注ぐのも簡単なはずなのに、時間が次いつだ?って考えながら注ぐと間違えたりします。さらに次に説明する調整の方法も考え出すとさらに難しくなっていきます。ある程度練習と慣れが必要な手法ですね。(ちなみに私は2回ミスりました。。。)

味の調整の方法ですが、最初に書いた通り、前半40%で味の調整、後半60%で濃度の調整を行います。

味は甘さを強調したい場合は、最初の2回分のお湯の配分を基準の30g→30gではなく、20g→40gというように、1回目を少なめに、2回目を多めに調整します。逆にもっと酸味を強く明るい味わいにしたい場合は、40g→20gという形で調整します。

濃度の方は、後半の60%を注ぐ回数で調整します。薄くしたい場合は一回の量を増やし回数を減らし、濃くしたい場合は一回の量を減らし回数を増やすことで調整します。

とてもシステマティックで明確な調整方法がある方式だと思いますが、先ほども書いた通り、結構やってみると難しいかもしれません。練習のしがいのある手法ですね。

ドーム式(日本式?)

最後に紹介するのは、明確に提唱者がいるわけではないのですが、日本でポピュラーなドームを作ってこれを崩さないようにゆっくり丁寧に淹れていく手法です。勝手にドーム式と呼びます。

日本では割と多く使われている方法でこの方法を初めて学んだという人も多いのではないでしょうか?私もそうでした。ですが、実はこの方法は海外ではほとんど使われていない手法です。(結構驚きました。)ルーツは日本の喫茶店でマスターがネルドリップで丁寧に淹れるコーヒーの手法から来ているとも言われ、なんだか職人芸とロマンを感じるおそらく一番再現が難しい方法です。

最近になってこの方法が海外でも知られるようになったきっかけの動画があります。CAFECさんのこちらの動画です。こちらではOsmotic Flow(透過方)と名前が付けられており、海外ではこの名前で知られています。今回はこの動画を参考にさせていただきました。

この方法は他の二つと大きく異なり、粉がお湯に浮いている状態を作らず、粉が動かないように撹拌が可能な限り少なくなるように淹れます。

粉の準備ですが、CAFECさんからは比率や粒度の推奨が出されていませんでしたので、今回は動画の粉の見た目から中細挽きにしました。(JamesHoffmanさん方式で使った粒度と同じにしました。)比率は、このドーム式は結構粉の量が多めに使うことが多いように感じます。今回は4:6メソッドと同じ150gのお湯に対して10gにしてみました。

ペーパーをV60にセットして、コーヒー粉を淹れます。この時、CAFECさんの動画ではペーパーのリンスはしていません。(私はリンスしてしまいましたが)

粉を平に均し、蒸らしを行うために少量のお湯を注ぎます。ちなみにCAFECさんの動画ではスケールすら使っていません。豆の膨らみ具合などをみて感覚で掴む必要があるのでしょう。豆をドーム状に縦方向に膨らませることが目的です。

個人的には、コツは粉の淵までお湯をかけてしまわずに微妙に縁を残しておくことだと思っています。私は10g程のお湯をかけました。

これをしばらくおくとドーム状に膨らんできます。膨らみ具合は、焙煎からの時間と焙煎度によります。

約30秒程蒸らし期間を待ち、注いでいきます。注ぎ方は可能な限りゆっくり、真ん中にドームを崩さないように注ぎます。そうすると中心から細かい白い泡が立ちます。ドームが膨らみ過ぎないところで一旦注ぐのを止め、萎んだら継ぎ足すを繰り返していきます。1/3のお湯を注ぐまでは中心に注ぎ続けます。

1/3に到達したら、この白い泡部分の縁を沿う形でゆっくり注いでいきます。徐々に白い泡部分を広げていくイメージです。でも泡が決壊しないように注意しながら注ぎます。

狙った湯量になるまでゆっくり注いで完成です。最後までコーヒー粉を撹拌しないように抽出を行います。

すみません、明らかに私は練習不足で粉が荒れてしまっています。。。CAFECさんの動画をご覧になるとこの綺麗さにめちゃくちゃ引き込まれます。最初にも書きましたが、まさに職人技ですね。簡単とおっしゃってますが、この3手法の中では圧倒的に一番難しいですね。

ちなみにこの方法はコーヒー粉がある程度の量あったほうがやりやすいです。

比較

三種類の方法のお湯の投入量を時間経過でグラフ化してみました。このグラフからもかなりそれぞれの方法で注ぎ方が違うのが分かりますよね。

James Hoffmanさんの方法は一気にお湯を投入し、かなりコーンをひたひたにして、粉をお湯に漬け込んで抽出するイメージです。粕谷さんの4:6メソッドは中間で漬け込むイメージに違いですが、お湯の量が毎回少なくヒタヒタになるというより一対一になるぐらいのイメージです。そしてその度にお湯が落ち切るまで待っています。ドーム式では、常に粉の方がお湯より多くなり、粉の中をお湯を通すことで抽出する形になります。

それぞれの方法で淹れたコーヒーの味の比較ももちろんしてみました。

注意としては、それぞれの方法をマスターした訳ではなく、さらに各方法で調整を行うことでいろいろと味の違いをつけられるということがありますが、その前提で今回私が淹れたコーヒーで比較をします。

James Hoffmanさん方式は、この三種の中で一番クリアなテイストになっていたと感じました。結構深煎りめの豆でしたので、苦味が強い味わいでしたが、後味がスッキリしており嫌に残らない感じがありました。4:6メソッドはマイルドな感じで中間の味わいになっていたと感じました。ドーム式は明らかに苦味が際立っており、一番しっかりとしたボディのガツンと感がありました。

それぞれの手法のお手軽さに関して言えば、これはJames Hoffmanさん方式が一番お手軽で、次いで4:6メソッド、ドーム式が一番難しいと思います。逆にこだわりを持ってスキルを磨くという意味ではドーム式が一番面白いのではないかと思います。職人技感になんだか他の2つにはない魅力があります。

繰り返しになりますが、正解というの手法はないので自分であった方法を探していくのがいいと思います。いろいろ試してみるのもいいですし、一つを選んで極めていくのも楽しいと思います!

みなさんはどんな方法で淹れていますでしょうか?ぜひコメントにて教えていただけると嬉しいです!

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