【エスプレッソマシン紹介】高級シングルボイラー ECM CASA V

レポート

みなさん、こんにちは!

エスプレッソマシンの紹介第3弾をやっていきたいと思います。Gaggia Classic ProRancilio Silviaと見てきましたが、今回はECMのCASA V(カサ ファイブと読みます)を紹介します。

機能的には他の2マシンと似ているモデルになります。ざっくりいうと、シングルボイラーではかなりの高級品と言う位置付けのマシンです。

価格の比較だけまずしておくと、Gaggia Classic Proが 約$450、Rancilio Silviaが約$750、ECM CASA Vが約$1050です。Gaggia Classic Proの実に2倍以上のお値段です。この辺りの価格差がどのようなマシンの差になっているか見ていきましょう。

概要・基本性能

ECMはドイツのメーカーになります。Gaggiaなどよりは歴史が浅いですが、品質の高いエスプレッソマシンを製造することで有名です。

CASA Vは家庭用エスプレッソマシンとして、Gaggia Classic ProやRancilio Silviaと同じカテゴリのシングルボイラーのSemiーAutomaticマシンに属します。

他の2つのマシンと同様に、業務用マシン標準の58mmポルタフィルターを使い、バイブレーションポンプを使用し、ソレノイドバルブを備えています。

サイズはSilviaに結構近く、21 x 37 x 38cmです。重量もSilviaと同じ14kgで、Classic Proの約2倍の重さがあります。

ボイラー容量は0.4LとSilviaより若干大きく、ClassicProの4倍ほどです。ヒーターのパワーは1200Wで、Classic Proと同等、Silviaよりハイパワーです。この2点から予熱にかかる時間は2モデルの中間に位置します。

スチーム性能はボイラー容量の近いSilviaとパワー・容量共に似通った性能のようです。スチームワンドも両方ともボールジョイントで自由に動かせます。この面では容量・パワー・回転ジョイントのみと言う点でClassic Proが一歩遅れを取ります。

水タンク容量は一番大きく2.8Lになっています。

違うポイント

圧力ゲージ

機能的に大きな差は抽出圧力を表示するゲージがあることになります。これを確認することで抽出中にコーヒーにどのくらいの圧力がかかっているかを把握することができます。チャネルなどができてしまってちゃんと圧がかかっていないとか、色々なことが分かるのでこの点は大きな利点となるでしょう。

またゲージがついていることで圧力の調整も可能な構造になっています。マシンの上面に調節ネジがあり、ゲージを見ながら簡単に調整が可能です。

以前紹介したマシンは中身をいじることで圧力を変えることは可能ですが、圧力を測ることができないのでどんな圧力に調整されたかが分かりません。CASA Vはこの機能があることでもう一歩進んだ抽出のコントロールが可能になります。とはいえ、これがあるからといって劇的にエスプレッソの出来が良くなるわけではなさそうです。

仕上げ・作り

この点もやはり価格差が大きく見えてくるポイントです。鏡面仕上げのフルステンレス製の作りで、めちゃくちゃカッコイイです。Classic Proに見られる部分的なプラスチックパーツなどはほとんどなく、非常に高級感のあるマシンになっています。

特にポルタフィルターはECM業務用ラインと同じものを使っており、かなり本格的です。

見た目だけでなく、鉄板断面の仕上げや組み上げのクオリティなど細部も丁寧に作られており、どこにコストが掛かっているか分かります。

変わらないポイント

結構な価格差があっても、他のマシンとほとんど変わらないポイントもいくつかあります。

抽出温度の正確性。この点はやはりPID制御をしているわけでもないため、他の2マシンと同等程度の精度という印象です。放置してしまうと抽出のお湯の温度が上がりすぎてグループヘッドからスチームが出ることがあります。この高級マシンでも抽出前にはフラッシュを行なって加熱しすぎたお湯を排出してあげる必要がありそうです。

シングルボイラー。最初に書いた通りですが、ECM CASA Vもシングルボイラーマシンなので、抽出とスチームは同時にできません。同時が可能なHeat Exchangeマシンや、デュアルボイラーマシンは安くても$1500ぐらいのラインからみたいなので、そこにはまだ一歩及ばない感じですね。

まとめ

ECMのCASA Vの紹介をしてきましたが、このマシンのポイントとしては高級感と圧力ゲージになるかと思います。

Gaggia Classic ProやRancilio Silviaも決して見た目が悪いとかチープさがあるマシンではないと思いますが、CASA Vと並べてしまうとどうしても見劣りしますね。

圧力ゲージという機能的なアドバンテージはあるにはありますが、色々な方の話を聞いている限りではそこまでエスプレッソのクオリティに直結するようなところではなく、全体的にみてこのマシンでクオリティが明らかに上がるかと言われると微妙そうです。紹介した三機種いずれも似たような性能になります。

結局問題は、この差分のためにClassic Proに比べ+$600払えるか?ですが、個人的にはその価値は流石にないかなと思いました。$1000越え払うのであればもう一歩頑張ってHeat Echanger やDual Boilerまでいきたいところです。とはいえそれも、いずれ2台目の購入の時に考えるぐらいですかね。私にはいきなりそこまで飛び込む勇気がないですね笑。しかもステップで上げて行ったほうがより楽しめますしね。

もし良ければ他のエスプレッソマシン紹介もぜひ。

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