ポルタフィルタバスケットの選び方 

レポート

みなさん、こんにちは!

色々とエスプレッソマシンの選び方、それぞれのパーツの構造や違いについて書いてきました。今回はバスケットについて説明したいと思います。

バスケットはエスプレッソマシンで実際にコーヒー粉を入れて圧力がかかり抽出が行われる場所になります。抽出されたエスプレッソに粉が落ちないように金属フィルタの役割も果たします。ちっぽけな割とシンプルに見える部品ですが、抽出において非常に重要な役割を果たします。

今回はこんなことについて書いていこうと思います。

  • バスケットのサイズについて
  • 加圧バスケットとは何か
  • バスケットの品質の違い

バスケットサイズ

ポルタフィルタの記事にも書きましたが、バスケットにはサイズが存在します。

画像出典:decent

ポルタフィルタの回で触れたのは、バスケットの直径についてです。この直径はポルタフィルタ(バスケットをマシンに取り付けるためのハンドル)に取り付けられるかを決めます。58mmポルタフィルタには、58mmのバスケットがつけられます。

58mmバスケットの58mmはバスケットの壁の内側の内径になります。そのためバスケットの外径や、ポルタフィルタのバスケットホルダ部分の穴の直径は58mmより大きくなりますので注意しましょう。

近年の主流のバスケット直径は58mmです。昔より大きいものが主流となってきています。これは、最近はシングルショットを淹れる人が非常に少なくなっており、ダブル・トリプルと言う大きいサイズのショットが好まれているからです。そのため直径が大きくして、より多くの量のコーヒー粉を入れることができるようにしています。

バスケットのサイズには深さの違いもあります。マシンによりバスケットの直径は決まってしまうので、あるマシンで異なる量のコーヒー粉を使う場合は、バスケットの深さを変えることになります。

画像出典:decent

深い容量の大きいバスケットを一つだけ持っておいて、必要に応じてコーヒーの粉の量だけ減らせばいいじゃないかと思われるかもしれません。例えば22gのバスケットに15gのコーヒーを入れることは当然可能です。でもあまりバスケットが大きすぎるとエスプレッソの抽出が終わった後、バスケット内から圧力が抜けていく際にお湯がバスケットに残ってしまい、乾いたパックではなく、水っぽい掃除のしにくいパックが残ります。抽出自体にはほぼ影響ないのでいいのですが、掃除の手間を軽減するには使う粉の量(Dose)にあったバスケットを使った方がいいでしょう。

使うコーヒー粉の量は、大体7gぐらいでシングルショット、14gぐらいでダブル、21gぐらいでトリプルと呼ばれますが厳密なルールはありません。豆やロースト具合、挽き具合によって調整が必要です。

ダブルショットぐらいの粉の量では上の写真のような円柱状のバスケットが使われます。シングルショット用には少ない量のコーヒー粉でも十分な粉の厚さが出るように、下の写真のような穴部分の径が狭くなるようなバスケットが使われます。

画像出典:decent

加圧バスケット Pressurized Basket

バスケットには通常の非加圧バスケット(Non-Pressurized Basket)と加圧バスケット(Pressurized Basket)が存在します。通常の非加圧バスケットは穴がたくさん空いており、加圧バスケットは穴が数個しか空いてないものになります。

この違いはバスケット自体が圧力を高めるための抵抗になるかどうかを決めます。非加圧バスケットではバスケットの穴が多く空いているため、バスケットが抵抗となることはありません。非加圧バスケットの場合は細かく引いて圧迫されたコーヒー粉が圧力を生む抵抗となります。コーヒー粉が均一に抵抗を生むことで全体的に抽出することができ、本物のエスプレッソはこの方法でしか抽出することができません。

非加圧バスケットを使う場合は、均一かつ非常に細かく挽かれたコーヒー粉が必要になります。このためには精度・品質の高いグラインダーが必要になります。お店であらかじめ挽いてもらった様な粉を非加圧バスケットに入れてもパックがスカスカになってしまい抵抗を生むことができず、圧力が上がらないため、非常に弱い悲惨なエスプレッソと呼べないものが出来上がります。

高級なグラインダーを持っていない人のためにどんなコーヒー粉でもエスプレッソっぽいものが作れるように考案されたのが加圧バスケットです。穴が数個しか空いていないためバスケット自体がお湯に対する抵抗を生み、圧力をかけて抽出が可能になります。このため粗く挽かれた粉でもそれなりにエスプレッソっぽいものの抽出が可能になります。圧力もかかるのでクレマっぽいものもできます。

が、加圧バスケットは完全に初心者やコーヒーにあまりこだわりのない人向けに作られたバスケットのため、本物のエスプレッソを淹れたいのであればいいグラインダーで自分で豆を細かく挽き、非加圧のバスケットを使うしかありません。

バスケット品質の違い

エスプレッソマシンを購入すると普通バスケットも付属品としてついてきます。ですが4000円以上する高精度バスケット(Precision Baskets)と言うものも存在します。

一体何が違うのかと言うと、バスケットに空いている穴の精度になります。

画像出典:decent

こちらはあまり良くないバスケットの穴の写真になります(これでも悪くない方ですが)。穴の径にばらつきがあることが分かると思います。もっと品質の悪いものは穴を開けた際のバリが残っていたり、ちゃんと穴が空いていなかったりするみたいです。

穴径のばらつきがあると何が悪いか?それは小さい穴の上は他より局所的に大きな抵抗を生むことになりお湯の流れを悪くします。そうするとこの上のコーヒー粉はうまく抽出が行われず、逆に周りのより抵抗の低い道にお湯が集中し過剰な抽出が行われたり、最悪チャネリングと呼ばれるパックに穴が空いてしまっている状態になります。

均一な穴の空いた高精度バスケットを使うことでパック内の圧力を均一にし、全てのコーヒー粉から均等に抽出することが可能になります。

高精度バスケットのメーカーとしてはVSTが有名どころですが、こちらでは全てのバスケットの穴径のを測定しばらつきの証明書までつけてくれるそうです。

毎回安定したエスプレッソを淹れるためには、精度の良い高品質なバスケットを使うのも良さそうです。(これに4000円出すの?!って気もしてしまいますがね。)

コメント

タイトルとURLをコピーしました