Speciality Coffee Expo 2022 注目商品 : Unifilter ・ Ember Mug2

レポート

今月の頭2022年4月6日〜10日まで、アメリカ ボストンにてSpeciality Coffee Expoが開催されました。

こちらはSpeciality Coffee Association(SCA)が主催する展示会でコーヒーに関する様々なイベントが行われました。

バリスタ、テイスティング、ラテアート選手権が開催されたり、様々なロースターが集まって試飲があったり、コーヒー化学に関する展示会があったり、もちろんSCAのワークショップがあったり、盛りだくさんだったみたいですね。

(今年のUS Barista ChampionとなったMorgan Eckrothさん、おめでとうございます!この方、MorganDrinksCoffeeというChannel名でYouTuberもされていて、コーヒーに関する面白い企画をされていたり、レシピの紹介をされていたりで非常におすすめです。)

色々と開催されていたものの中でも私としては新製品の発表が一番の注目ポイントですね。

ということで、今回は私が個人的に気になった商品をざっと紹介してみたいと思います。

Unifilter : Weber Workshops

まずは、コーヒーアクセサリのBest New Product賞を取ったUnifilterですね。

Weber Workshopsさんの新製品ですが、既存のポルタフィルターとバスケットの概念を変えるものになります。

通常、バスケットはポルタフィルタから取り外し可能になっており、バスケットをセットして使います。ずっと昔からの当たり前の形です。

この製品はバスケットとポルタフィルターを一体化させた商品になります。

メインの利点は、抽出の均一性をあげられるところにあるみたいですね。

一体成形することで、まずバスケットの横の壁部分を完全に垂直にすることができるそうです。通常のバスケットは1枚のステンレスシートから作っているためどうしても壁に傾斜が必要になります。一体成形で(というより削り出しで作っているからだと思いますが)作ることにより、垂直の壁ができるわけです。

垂直だと何がいいのか?

通常のバスケットのように下の方が狭くなっている場合、お湯がパックを抜けていく途中で中央に寄っていく必要が出てきます。そうすると真っ直ぐに通れるより抽出に偏りができそうですよね。それを避けられると。

もう一点の売りが壁ギリギリまで穴があること。

下記の写真のように通常のバスケットは壁から少し内側までしか穴が開いていません。これは製造上の制約らしいのですが、一体成形のUnifilterなら壁ギリギリまで穴が開けられるということ。先ほどの壁が垂直な点と同様にお湯がまっすぐバスケットを通っていくことができるので抽出の均一性が上がるという理屈です。

Unifilterの対極にあるのがすり鉢状のシングルバスケットだと言えます。あれは壁があえて斜めになってますし、穴も真ん中に少ししか開いていません。そしてその理由からシングルバスケットの抽出は難しいとも言われています。そう考えると、その対極の形状のUnifilterは抽出が簡単(安定する)になるのも納得できるかもしれません。

また、一体になっていることでバスケットとポルタフィルタの間の隙間に汚れが溜まるのを防ぎ、汚れがたまらないから強い酸性の洗剤で頻繁に洗う必要がなくなり、耐久性も上がるということです。

Weber Workshopsさんと言えば、EG-1やKeyなどの超高級グラインダーのメーカーとして有名なので、品質は文句無さそうですね。

ただ難点は、衝撃のお値段。なんと$365! (私のエスプレッソマシン本体のお値段に近いです。。。)

いいポルタフィルターは1万円とかしますし、Precision Basketと呼ばれる高品質バスケットも同様のお値段するので、冷静に考えると馬鹿げた値段ではないのですが。。。驚きましたね。

お値段以外にもちょっと気になるのは、手軽にバスケットの

この形状のポルタフィルター・バスケット一体形状が今後主流になっていくのか?気になりますね。

Ember Mug2 : Ember

続いてテクノロジー賞を取ったEmber Mug2です。

こちらは名の通り2なので、以前からあったコンセプトの商品になります。

ひとことで言うと、中の飲み物を完璧な温度で長時間保ってくれるマグカップです。

出典:Ember

マグカップの中に、温度センサー、加熱素子、バッテリーが入っており、スマホアプリで設定した温度(50~62.5℃)で中身をキープしてくれます。

カップだけで1.5時間程度保温(+加熱)してくれるそうです。下のコースターが充電台になっていて、その上に置いておけばずっとキープしてくれます。

カップにそんなに機能入れるなんて、ちょっとやりすぎじゃないって思われた方、私も結構そう思ってました。

魔法瓶のような保温性の高い容器でいいんじゃないの?と。

ですが、以前保温容器を色々試して比較してみて分かったのですが、魔法瓶って冷たいものを保冷しておくのは結構効果あるのですが、熱いものを保温しておくのは意外と難しいですよね。

詳しくはこちらの記事に書きましたが、ガッツリとした魔法瓶に熱々のコーヒーを入れて蓋をして一切開けない状態でも30分後には40℃前後に冷めていました。

40℃って飲み物としては、すでに温いって感じで最適な温度とは言いづらいです。

また、もう一つ驚きだったのが魔法瓶に入れても42℃だったのが、普通のダブルウォールのグラスに同じ時間入れておいたものが37℃だったんです。熱が逃げないようにすると言う方法では熱のキープはどれだけ頑張っても難しいのです。(よくわかりませんが、気加熱とかが関係しているんですかね。)

30分の間に飲めない暑さからぬる過ぎまで行ってしまうので、ベストな温度で飲めるのはほんの数分。

ゆっくりコーヒーを楽しむには短すぎるのかもしれません。

これらを考えると、実はカップに加熱機構を入れると言うのは意外とやりすぎではないのかもしれません。

コーヒーの味の感じ方も温度で変わっていくので、抽出温度と同じぐらい、飲むときの温度に気を使うと言うのはアリなんじゃないでしょうか?

このマグを使った方のコメントでよく聞くのが、やりすぎだと思ってたけど使ったら意外と手放せなくなった、と言うものです。

私もちょっと欲しくなってきました。。。ちなみにお値段は2万円程度で、うーん。。。ギリギリありなのか?

もしお持ちの方いたら感想教えていただけるとありがたいです。

色々と面白い商品出てきますよね〜。欲しくなって困ります。 笑

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