【エスプレッソマシン紹介】間違いなし!Rancilio Silvia

レポート

みなさん、こんにちは!

今回はエスプレッソマシン紹介の第2弾として、Rancilio Silvia (ランチリオ シルビア)について解説します。第一弾のGaggia Classic Proの紹介でも少し触れたマシンになりますが、この2機種はエントリーモデルの大定番として非常に人気のマシンです。エントリーモデルと言っても、よくあるなんちゃってエスプレッソを淹れるAppliance Gradeのマシンではなく、ちゃんとした本物のエスプレッソを淹れられるマシンです。

家庭用エスプレッソマシンが欲しいけど、結構高価かつ頻繁に買い換えるようなものでもないので、色々比べて自分にあったものを慎重に選ぶ必要がありますよね?でも見ていくとかなりの種類があって、めちゃくちゃ迷います。しかも日本語での情報が非常に少ないので困っているという方も少なくないのではないでしょうか。

本記事では、Silviaはどんな特徴を持ったマシンなのか?何が優れているか、どこにデメリットがあるか?どんな人におすすめか?こういったところを見ていきたいと思います。(私自身、エスプレッソマシンを購入したいなと思っている段階ですので、海外サイトのレビューなどから集めた情報をまとめています。)

Rancilio Silvia 出典:Rancilio

エスプレッソマシンを選ぶに際に考慮すべきポイントはこちらの記事でまとめていますので、もしよければ先にこちらに目を通してからの方がわかりやすいかもしれません。

また、Gaggia Classic Proとの比較も所々していきますので、こちらも先に見てもらうと流れはいいかもです。

  • マシン種類について:Manual / Semi-Auto / Fully-Auto / Super-Auto
  • ボイラータイプについて:Single / Dual / Heat Exchanger
  • ポルタフィルターについて:サイズ・スパウト
  • バスケットについて:サイズ・品質
  • では、行ってみましょう!

    概要・基本性能

    Rancilio SilviaはシングルボイラーのSemiーAutomaticマシンになります。

    シングルボイラーマシンはエスプレッソの抽出に使う90℃前後のお湯と、ミルクスチーム用に使う蒸気を一つのボイラーの温度を上げ下げすることで供給します。なので、抽出とスチームを同時に行うことができません。ほぼ全てのエントリーモデルで使われる構造です。(ボイラー構造の種類についてはこちらで詳しく解説しています。)

    SemiーAutomaticもエントリーモデルのマシンに多い方式です。要は、エスプレッソの抽出量をマニュアルで操作してあげる必要があるということです。これはタイマーで抽出時間を測ったり、スケールを使って抽出量を測ったりして、いいタイミングでユーザーが抽出を止めます。(マシンタイプについてはこちら

    この2点は家庭用で毎日数杯のコーヒーを淹れるというユースケースでは問題になることはほばないと思います。(小規模のカフェなどで連続して使う場合は提供スピードの観点からもっと上のグレードのマシンを見た方がいいでしょう。)

    Silviaが使うバスケットサイズは業務グレードで標準の58mmです。エントリーモデルでもちゃんとこのサイズを使っているというのは大きなメリットです。(個人的には、まず58mmでないマシンは選択肢から外してしまっているぐらいです。)

    操作性も非常にシンプルで、スイッチ4つ・ノブ1つ・LED5つのみです。

    一言でSilviaを説明すると、高級感のあるエントリーモデルのマシンです。性能・機能面ではGaggia Classic Proと非常に似ていますが、差が出るところがコストと高級感になります。

    コスト

    Silviaの価格は約$775になります。日本円換算で85,000円です。エントリーモデルと言えど、まぁー結構しますよね。

    さらに日本ではメーカーから流通していないので、基本的に輸入品になります。輸入コストがあるのは仕方がないですが、あまりに高くなっているものにはご注意ください。

    輸入コストは置いておいたとしても、同等の性能・機能をもつGaggia Classic Proと比べると$300も差があるマシンになります。

    また購入の際にはマイナーチェンジのバージョンにご注意ください。Silviaは1997年に販売開始されたロングランのマシンになり、20年以上販売され続ける中で、バージョンが現在(2021年8月)version6 まであります。基本的にはマイナーチェンジですが、最新のものが欲しい場合はv6を探しましょう。最新版を見分けるポイントはグループヘッドの色が黒いことと真ん中の電源アイコンになります(v6は写真のような丸に線のアイコン、それ以前のものは雷のようなアイコン)。

    ざっと見る限りv3はまだ売っているようなので、差分を書いておきます。

    • V3→V4:ボイラーのヒーター部品が交換可能な構造に変更された。V3ではヒーターが壊れたらボイラーごと取り替えが必要
    • V4→V5:30分の無操作で自動OFF機能。電源スイッチのLEDが1つから2つに。内部に防音・保温素材が追加。
    • V5→V6:アイコン変更、グループヘッド色変更、スチームワンドがステンレスに、付属タンパーの改良。

    もう一点、間違えないよう注意すべきなのが、Rancilio Silvia Proというモデルです。こちらは上位機種でデュアルボイラーでお値段も2倍以上します。

    外観・作り

    Silviaは非常に重厚な作りになっています。サイズは23.5 x 34 x 29 cmで重さは14kgもあります。ほぼ全面ステンレススチール作りで、とてもシンプルながら綺麗な仕上がりです。重さがかなりあるので、ポルタフィルターを取り付ける際に抑える必要や動いたりすることはありません。

    ポルタフィルタのハンドルはプラスチック製ですが、マットな処理がされて見栄えがよく、握りやすい形にもなっています。スチームのノブはステンレスとプラスチックの組み合わせになっておりしっかりとした作りになっています。

    この作りの良さ、外観的な高級感というのがGaggia Classic Proとの一番の差だと思います。Gaggiaの方は外観でコストを削っており、ポルタフィルタのハンドルやスチームノブがちょっとチープな感じのあるプラスチック製です。この辺りは毎回ユーザーが触れることになる箇所なのでSilviaの作りの良さというのはユーザビリティと満足感を大きく上げてくれるでしょう。

    ドリップトレーはステンレスのカバー部分の下に浅いトレーが置いてあるような形です。ここは結構Silviaの構造で文句が多い場所です。トレーが浅いため容量が少ない上に、どのくらい水が入っているかカバーの外から判別がしづらいです。また、トレーを取り出すためにトレー自体を結構傾けないといけない構造になっており、満水に近い状態だと傾けたら中身が溢れるため取り出せないという状況になります。

    水を入れるタンクはマシンの上面のプラスチック製の蓋を開けることでアクセスできます。約2Lのタンクです。こちらも蓋を開けてみないと内容量が見えないという若干のデメリットがあります。

    ソレノイドバルブ

    Gaggia Classic Pro同様に、Silviaも3-wayソレノイドバルブを搭載しています。これはエスプレッソを抽出した後にコーヒーパック部にかかっている高圧力を外に逃してくれる部品になります。これがあることでポルタフィルタを外した際に、コーヒーパックが綺麗で乾いた状態になります。

    バルブの放出口はマシンの筐体の中にあるため、Gaggia Classic Proのように放出口が外から見えず綺麗な作りです。

    ボイラー

    Silviaのボイラーは300mlの容量を持ちそれなりに大きめになります。ヒーターのパワーは900〜1000W程度です。Gaggiaに比べ、3倍のサイズのボイラーを2/3程のパワーのヒーターで加熱するため、加熱には比較的時間がかかります。

    抽出温度からスチーム温度までボイラーを加熱するのに約1分半かかるため、先にミルクをスチームしてから、ボイラーからスチームを放出することで一気にボイラーを冷やし、コーヒーの抽出を行うという流れの方がスムーズにラテを作れます。

    ただ大きいボイラーは当然メリットもあり、一度暖まってしまえばより長時間ハイパワーでスチームを供給することが可能です。

    ボイラーの温度調整機能はシンプルな構造で、結構温度に上下変動し、時には抽出用のお湯もかなり高温になってしまいます。(上位マシンのSilvia Proなどが使うPID制御などは搭載していません。)抽出ルーチンを決めTemperature Surfingを行うことで狙った温度で抽出を行うことは可能です。

    ポンプ

    SilviaはVibration Pump方式を使っています。圧力ゲージはついていません。

    ポンプ関連の利点として挙げられるのが、マシンの一機能として(改造せずに)ポンプ圧力を変更することが可能です。Gaggiaでは調整するため、マシンを改造する必要がありましたが、メーカーが認めている方法で好きなポンプ圧力に調整できるのはいいですね。

    スチーム

    スチーム能力はSilviaの大きな強みです。ボイラーのセクションで書いた通り、大きい容量のボイラーを使っているため、より長時間ハイパワーなスチームを使うことができます。Silviaより遥かに高価なマシンに匹敵する強さとよく言われています。

    ミルクベースのドリンクを家族用とかに連続で何杯か作りたいという方はこのスチーム能力は大きなメリットになるかと思います。ミルクスチームを勉強している間は強すぎて使いこなすのに難儀するかもしれません。

    スチームワンドは業務用と同じ構造のシンプルなものになっています。(余計な自動スチームワンドみたいなものではありません)ワンドはボールジョイントでマシン本体につながっており、自由に向きを変えることが可能です。自分に最適な角度に調整できるのでスチームはやりやすいですね。

    改造・MOD

    エントリーレベルの大人気マシンとして、Silviaユーザーは非常にたくさんいます。マシンの構造もシンプルなため改造をして色々機能追加をする人もいます。多くの情報がネット上に出ていますので、この辺りはGaggia Classic Proと並んで人気マシンの利点ですね。

    ポンプ圧力は改造不要で調整できますが、温度調整機能だったりを色々追加できるようです。

    私はガンガン改造してみたいと思っている人間なので、とても魅力的ですね。

    まとめ

    RancilioのSilviaについて、ざっと機能・利点などをお伝えしました。本物のエスプレッソを淹れるスペックのある、エントリーレベルのマシンとして長年愛されている商品になります。エスプレッソマシンの世界の中では比較的お手頃な価格で、本格的な性能をもち、非常に優秀です。

    やはりこのマシンを検討する際は、よく比較相手となるGaggia Classic Proとの差分を見ていくのが分かりやすいです。Gaggiaと比べると、一回り大きく2倍程の重さになっており、めちゃくちゃしっかり作られていることが分かります。エスプレッソの抽出性能に関しては基本的にGaggiaと同等という意見が多いです。基本的なところで家庭用シングルボイラー、SemiーAutomaticマシンとして両機種十分な性能を持ちますが、温度安定性などではどっこいどっこいの不安定さを見せます。

    差が出てくるのところが、高級感といったマシンの作りに関するところですね。特にポルタフィルタやスチームノブの質感がSilviaの方がフィーリングよく使えると思います。またスチーム性能には結構差があり、スチームをよく使いたいという人はSilviaのメリットは大きいかもしれません。

    この二機種、同等レベルのマシンとして非常によく比べられますが、冷静に考えると結構な価格差があります。$450 対 $775ということで約1.7倍の価格になります。更に日本で購入することを考えると、更に大きな価格差になっています。Gaggiaが7万円程で見つかるのに比べ、Silviaは12万円程度が最安値でした(v5)。

    それだけの価格差の価値が本当にあるのかというところは使う方によっても違うかと思いますが、個人的にはGaggiaに寄っています。大量に一度にコーヒーをサーブすることがないのでスチーム能力がそれほど必要ないところと、エスプレッソの抽出性能がほぼ同等というところが大きいですね。コスト抜きにしてみればSilviaの方がかっこいいなとは思いますが。(マシンの元値の差では約35,000円程の差なのに、特に理由なく購入額で5万の差になってしまうのもやはりちょっといただけないですね。。。あと10万円を超えるという心の壁も高いですね。。。)

    Rancilio Silviaをお持ちの方いらっしゃれば、購入の決め手など教えていただけると嬉しいです。

    他のエスプレッソマシン紹介もぜひ。

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