遅すぎかもしれませんが、やっとちゃんとした電動グラインダーを購入しようと決心しました!
実はこのブログがそれなりに続けられたら買おうと思っていて、やっと目標達成したので念願の購入です。
決心したはいいもののどのグラインダーを買うべきか。これが中々難しい。。。
今回はこの記事を書くことで自分の中で整理をして、決めていきたいと思います。
どう使いたいか?
まずはどう使いたいかから整理しておくべきですね。
コーヒー用の電動グラインダー(日本ではミルと呼ぶことも多いみたい)と言っても結構用途によって必要なものが変わります。
大きなポイントは
- コーヒーを淹れる方法
- どのくらいの量の豆を挽く必要があるか
ですかね。
私は、ペーパーフィルターでのドリップコーヒーとエスプレッソを半々ぐらいで使いたいと思っています。
エスプレッソの方が細挽きにする必要があり、そこまで細かく挽けないグラインダーって実は多いです。細かく挽くほどパワーが必要になるので大型のモーターが必要になります。また精度も高くないとダメですよね。
逆もあって、エスプレッソには非常にいいけど、ドリップコーヒーの少し荒めが得意でないというグラインダーもあります。
そして家庭用で自分一人分のコーヒーが挽ければいいので、業務用のものはいらないでしょう。
ここの挽く豆の量で結構選択肢が分かれるので注意が必要です。
絶対条件
ということで、外せない条件は何か?
- エスプレッソ用の細挽きが可能
- ゼロリテンション
- シングルドース
- ステップレス調整
この辺りはエスプレッソ用にグラインダーを買うとしたら重要になってくるポイントです。
なぜ重要なのかついては詳しくこちらの記事で説明しているので、もしご興味のあればぜひ。
頻繁にエスプレッソとドリップを行き来する場合ゼロリテンションは必須の条件になります。
リテンション(グラインダー内に残る粉の量)の多いグラインダーだと、弾き目調整を行った後、昔の設定で挽かれ残っている粉を押し出すためにパージと言って無駄に豆を挽いてあげることが必要になってしまいます。
そして価格。コーヒーグラインダーは上を見れば目が飛び出るほど高価なものがあります。
初めての電動グラインダーでいきなりそんなに高価なものに手を出すつもりはないので、基本10万円以下というのを考えています。
10万円でもめちゃくちゃ高いと思われる方もいらっしゃるかと思います。
正直私も2年程前に1万5000円のハンドグラインダー(TIMEMORE SLIM PLUS)を購入した時は高いなーと思いながら中々な覚悟をしてポチった覚えがあります。そんな奴が、6倍ものグラインダーを買おうとしている。。。
趣味って怖いですね。。。笑
とはいえ、10万円以下を狙うというのは意味もちゃんとあったりします。
電動グラインダーというのは安いものだと1万円台からあるにはありますが、このレベルだと価格が上がれば上がるだけクオリティが確実に上がっていきます。
何しもそうですが、よくなれば良くなる程追加コストの費用対効果が悪くなっていきます。
10万円ぐらいまでのラインがコストに見合ったクオリティアップが感じられるそうです。
これ以上になってくるともはや感じられるか分からない差になってくる(少なくとも私のような素人には)ようです。
候補
ここまでの条件は、結構海外のコーヒー愛好家の中では一般的なもので、人気なオプションが3つほどあります。どれも日本で流通してはおらず購入される方は少ないと思いますが。。。
- 元祖シングルドースの火付け役:Niche Zero
- 超コスパの中国製フラット臼グラインダー: DF64
- 有名イタリアメーカーのNiche対抗馬:Eureka Mignon Single Dose
(以前Niche ZeroとEurekaについては詳しく紹介記事書いていますので、リンクからどうぞ)
もう一段安価なクラスで人気なのがLagom Miniです。こちらもとても優秀なグラインダーみたいですが、ハンドグラインダーに入っているような臼を使っているので、せっかくならもうちょいいいものをということで今回は候補から外しました。
Niche Zero
イギリス設計のキックスターター発の言わずと知れた超人気グラインダーです。シングルドースという挽き方の火付け役になったと言ってもいいと思います。詳しくは別の記事で書いています
短い紹介をすると、Mazzerの63mmコニカル臼を使用する、使い勝手最高峰のグラインダーです。
無数のレビューが上がっていますが、基本的にはエスプレッソ優先の設計でクラシカルなボディが強めのエスプレッソに向いているそうです。ドリップコーヒーもできなくはないものの、悪くないぐらいという感想が多いです。ここはコニカル臼の特徴と言え、基本的にはコーヒーの味の明瞭さ(Clarity)を重視する浅煎り豆のモダンなエスプレッソやドリップには向かないということみたいです。コニカル臼は一般的にコーヒー粉の粒子サイズのばらつきが広くなる傾向にあり、それによりこのような味わいが生まれます。
もちろんここは好みの問題なので、コニカル臼の酸味を和らげて、チョコレート感のあるボディの強いコーヒーが好みの方はNiche Zeroがベストかもしれません。
個人的には、ハンドグラインダーでコニカル臼を使ってきたことや、コーヒーのクリアな味わいを重視したいという思いが強いのでフラット臼のものがいいなと思っています。(フラット臼は電動でしか使えないので。)
どのレビューを見ても共通しているのが、このグラインダーの使い勝手の良さです。何も考えずに豆を入れてスイッチを入れれば豆が挽かれる。当たり前のようで、中々これが抵抗なくできるものがないそうです。例えば静電気で粉が飛び散らないだとか、挽き目調整のしやすさだとか、モーターの静かさだとか。
ワークフローを優先する人なら、このグラインダー一択と言えるものです。
発売からかなり長いこと立っていますが、人気過ぎて常に入手困難という難点はあります。(ただ、今見たら在庫ありで1週間以内に発送となってました。ラッキーなタイミングなのか、やっと在庫問題が解消されてきたのか?)
重要な価格はというと、£499 = 約81,000円になります。そこに送料が約£80=13,000円。更におそらく消費税(VAT)も20%ぐらいかかるかもしれない、£100=16,000円。さらに更に日本側の関税もあり得る。(ここの税金は本来どちらかで良さそうなのですが、買い方によっては両方かかり得る。)余裕で、トータル10万超えますね。
DF64
Niche Zeroの大きな弱点コニカル臼の反対がフラット臼です。
こちらはNiche Zeroに使われるMazzer製コニカル臼。コーン型の内臼と、外側の臼で内と外で挟んで挽いていく形です。
ハンドグラインダーはほぼ全てこの形の臼を使います。
それに対してフラット臼はこんな感じ。このような平たい臼が2枚合わさって、上下で挟んで挽く形になります。
先程も少し触れましたが、このフラット臼は一般的に粉の粒子が均一になりクリアなコーヒーを淹れられると言われます。(もちろん一概には言えませんが)このためフラット臼の方が好みと言われている方が多いです。(こちらで紹介したJames Hoffmannさんなど)
そして基本ハンドグラインダーには採用されません。大きくなってしまうのと、回転数がかなり必要になるのであまり現実的ではないのです。
このフラット臼を採用してかつかなり低コストという点で、非常に人気となっているグラインダーがこのDF64です。
中国のコーヒー業界ではほぼ無名のメーカーが作っていることもあり、ブラント力はほぼ皆無なものです。
なんと言いますかデザインなどに洗練された感じはないですかね。好みの部分はあるかと思いますが。(超有名グラインダーによく似た形状です。)
実はODM製品らしく、同じグラインダーを多くのブランドが販売しているため色々な名前があります。(TurinとかG -IOTAとか)
ただこのグラインダー、ノーブランドでも大人気になるだけの理由がいくつもあるんです。
まずは何度も言っているフラット臼と低コスト。フラット臼もLagom P64などに採用される大型で色々とオプションの多い64mmサイズを使っていることが大きなポイントです。現在コーヒー用臼の最高峰と名高い韓国のSSPもこのサイズの臼を提供しており、こちらのDF64で使うことが可能です。
高級グラインダーのLagom P64でもよく使われる臼で、要するにざっくり4分の1ぐらいの価格のこのDF64で、Lagom P64に匹敵する挽き目クオリティを再現できるというわけです。
もちろん臼が入ればいいというものではなく、臼が水平を保ってブレなく挽けるようなしっかりとした構造も必要ですし、強力なモーターも積んでいないといけません。この点DF64は非常にしっかりしており、フルメタルの筐体にでかい筐体をほぼ埋め尽くす大型モーターを搭載しており、性能を出すために必要なところは全くケチっていません。
中国製だからと言ってこの辺の品質は心配なさそうです。(Niche Zeroも設計はUKですが、製造は中国らしいですし)
じゃあ、弱点はないのか?もちろん色々あります。
デザインはまぁ好みなのでそこはそれぞれ判断ですが、塗装コストとかを下げるためDF64は金属ボディにラッピングフィルムを貼ったような構造です。高級感という点では他の候補に劣るかなというのが個人的な意見です。(好みのフィルムを貼り替えればカスタマイズできるという利点ではありますが。)
付属のドーシングカップもプラスチック製でチープさがありますよね。
電源ボタンの場所がいまいちというコメントも多く聞きます。ちょうど粉を受けるカップの下にあり使いづらさがあります。
挽き目のメモリもちょっと見づらいというのもほぼ全員が言う話ですね。
また静電気対策はしっかりしないとめちゃくちゃ粉が飛び散るとみたいです。
粉の塊を作らないようにDeclumperというシリコンの弁みたいな部品が入っているのですが、これも非常にいまいちで、硬すぎて粉が出てこれずマシン内に溜まってしまい、リテンションが増えてしまうのも結構致命的な欠陥と言われます。
色々あげましたが、まとめると質感のいまいちさや使い勝手の悪さからくる高級感の無さがDF64の弱点ですかね。
カップクオリティに直結するマシンのポテンシャルは非常に高いですが、そのために色々ユーザーが我慢や工夫する必要があります。
逆に言えば、この工夫をすることが苦でない人にとっては、非常に低コストで超高級マシンに匹敵するカップクオリティを実現できるグラインダーといえます。
実は先程の難点はほとんどユーザーが工夫や改造することで解決できるものばかりなのです。
静電気はRDTすれば解決しますし、メモリを見やすくすために3Dプリンターでパーツを作ることもできます。Declumperはデフォルトのものを取り外すか交換することで劇的に改善するらしいです。見た目は自分で好みのラッピングを貼り替えればいいかもですね。金属製のドーシングカップはシンプルに別で買えばOKです。
最後に価格ですが、おそらくメーカーのホームページっぽいこちらでは、常にか分かりませんが$600 が $385になっています。送料$60。合計でも$445=6万円弱という破格。関税は乗るかもしれませんが、Niche Zeroの約半額と言える値段。コスパが良すぎます。
ちなみに途中で出てきたSSPの臼にアップグレードすること、もしくは一緒に購入することも可能です。
別で買うと$210。アップグレードすると追加で$220。アップグレードすると標準の臼がついてこないのだと思いますが、なぜかそっちの方が高い。まぁ交換やアライメントの手間賃なんでしょうね。
SSPの臼を入れても$655=約86,000円。Niche Zeroよりまだ全然安い。
Eureka Mignon Single Dose
こちらはイタリアの有名メーカーEurekaのNiche Zeroに対抗する製品として登場した期待のグラインダーでした。この候補の中では一番新しいグラインダーになります。
Nicheで望まれたフラット臼を使い、有名メーカーの高級感・使用感でDF64を凌駕する、文句なしのモデルになるかと思われたグラインダーだったのですが出てみたら、いまいちパッとしないというレビューが非常に多く、期待が非常に大きかった分実態以上に残念感が出てしまっているとも言えます。
残念ポイントは、基本的なところがちょっとEurekaさんにしてはいまいちで、モーターの振動が凄かったり、頻繁に触る部品が動かしづらかったり(ホッパーのシャッター部品)、と細かいですが使い勝手に直結するところで微妙という感じでした。
こういった細かいところ以外にスペックで非常に個人的には残念なところがあります。フラット臼を採用しているのですが、65mmというEureka特注のサイズを採用している点です。先程DF64で書いたSSP製の臼を使うことができないのです。。。(試したけど入らないとのレビューがありました。)
Eureka製の初期搭載の臼も悪くはないみたいですが、SSPには劣るということみたいです。
最後にもう一個使い勝手のところで気になったのが、挽き目調整のダイアル。
Eureka製グラインダーの特徴とも言えるマイクロダイアルを採用しています。細かい調整をするのには非常にいいみたいなのですが、大きな問題がエスプレッソ用の設定とドリップコーヒー用の設定を行き来するにはダイアルを4・5回転させる必要があるのです。そしてどの回転にいるのかは見た目からは全く分からない。
Niche ZeroとDF64は大型のダイアルを採用しており、1回転の内にエスプレッソとドリップの設定が入っており、一眼で今どちらの設定になっているのかが分かります。
この点は頻繁にエスプレッソとドリップを行ったり来たりする、私にとっては明らかにイライラポイントになります。(現に今ハンドグラインダーでもどっちになっているか分からなくならないように、毎回エスプレッソ設定に戻すみたいなことをしています。めちゃめんどい。。。)
見た目と高級感はさすがEurekaさんといった感じで、デザイン的なところは好みかと思いますが、間違いなくDF64より高いものというのは見てとれるかなと言う感想です。
が、それに伴いお値段もこれまたなかなかです。本体価格$799 = 約106,0000円 といきなり大台を超えて、Niche Zeroよりも大分高く、DF64のほぼ2倍。そこに送料も乗ってきます。
ちょっと色々課題があるようなグラインダーに払える金額ではないな個人的には思います。
Niche Zeroに決めた。そしてやめた。
と言うことで色々書いてきましたが、一体どれにするのか。
文書から分かったかと思いますが、個人的にはEurekaはちょっとないなと思っており、Niche ZeroかDF64かで揺れていました。
やはり、家庭用グライダーの世界で不動の地位を気づいたNiche Zeroなら絶対に間違いないだろうと決めました(今思うと若干の守りに入ってますね)。
で早速購入手続きを進めていたのですが、ここで大きな問題が。。。
それは日本から購入するのが非常に難しいこと。一度これだと決めて購入手続き進めていたのですが、ここが厄介すぎて一度冷静になってみようと思って今この記事を書き直している次第です。
一番の問題がNicheさんは直接日本に発送していないというところです。
そうすると、どうすればいいか。荷物をイギリスの倉庫が受け取ってそこから必要な国に転送してくれる、荷物の転送サービスというのがあるので、それを使ってくださいとNicheさんのサイトに記載がありました。
そうかそうか、と思ってサイトにお薦めされていたShop and Shipというサービスを見てみる。するとこちらも日本への発送はなし。。。
まじかと、思いながら他の転送サービスを色々検索。Forward2Meというサービスが良さそうということで、登録。
やっとのことで発送先のイギリスの住所(転送サービスの倉庫)をゲットし、Nicheさんの購入ページに入力。エラー。。。
ここには発送できませんと。そして何が理由なのかも書かれていない。
こうなると他の転送サービスにも登録してそちらの住所なら行けるのか、と試してみるぐらいしか手がないですが、この辺りでいい加減心が折れてやめました。転送サービスとかそこはかとないリスクを感じるので嫌だったこともあり。
実は昔はNicheさんの日本代理店があり、日本で直接購入が可能だったそうです。しかも日本語印字入りの日本モデル。ただ、今はもうその影も形もない。なかなか売れづらかったんですかね。海外で大人気で常に品切れなのに、日本モデル作ったら売れなかったとしたらまぁやめますよね。。。残念です。日本モデルでなくていいので、続けて欲しかった。
最終的にはDF64に!
一度冷静にNiche ZeroとDF64を比べ直してみると、本当はDF64の方が自分に合っているのではないか?と思い直しました。
ポイントは、やっぱりフラット臼を試してみたいと言う欲求。
そして色々マシンを改造してより自分に合ったものにしていくと言うのは、苦にならない。むしろそういうことが好きだったりするので、逆に伸び代が合ったほうが面白いのではと。
どうしても無名メーカーへの抵抗と言うのでNicheに寄っていたのですが、見た目とかワークフローより、やっぱりどっちが美味いコーヒーを淹れられるかが重要かなと考え直しました。
まぁ決め手は価格ですかね。 笑
憧れのSSP臼と合わせても、Nicheより下手すると3〜4万円安くなる。
これはもうDF64だなと。
むしろ、Nicheさんの注文手続きで引っかかってくれてありがとう 笑
7000文字オーバーの私の迷いを読んでいただき、本当にありがとうございます。
何かしらお役に立つ情報あったなら幸いです。
コメント