みなさん、こんにちは!
今回はエスプレッソマシンを使う中で恐らく一番多く触ることになるポルタフィルター(portafilter)について書いていきます。
ポルタフィルターとは、バスケットをマシンに取り付けるためのパーツです。大体エスプレッソマシンの正面センターにあり、ハンドルがついており取り外せるようになってます。
ポルタフィルターの先端にバスケットと呼ばれるコーヒー粉を入れる場所があります。バスケットの名の通り穴が空いており、バスケットに入ったコーヒー粉に上から加圧されたお湯をかけることでエスプレッソの抽出が行われます。抽出されたエスプレッソは集められてスパウトから流れ出る構造になっています。
ちなみにバスケットにコーヒー粉を入れてタンパーと呼ばれる道具で圧迫したコーヒー粉をパック(puck、coffee puck、espresso puckとも)と呼びます。
ポルタフィルターの役割としては、バスケットを取り外し可能にすることでパックの準備(puck preparation)をやりやすくする事にあります。また使ったパックを捨てやすくもなります。
低価格なエスプレッソマシンの名を持ったポルタフィルターの付いていない機械も沢山あります。Appliace grade machineと呼ばれる事が多いですが、これらは本物のエスプレッソを淹れる事はできません。エスプレッソっぽいものを簡単に淹れる事を目的にした機械です。もちろんappliace grade machineもこの目的にあった使い方をすればとても便利なものですが、コーヒーにこだわりを持って本物のエスプレッソを入れたいならこのようなマシンはやめましょう。
ポルタフィルターはマシンや目的に応じて様々な種類があります。見ていきましょう
サイズ 58mmがベスト!
まずポルタフィルターにはサイズがあります。これはポルタフィルターに取り付けられるバスケットのサイズで表記されます。
業務用マシンやハイエンドの家庭用マシンで標準とされるサイズは58mmのポルタフィルターです。
昔は54mmが標準だったためこのタイプもそれなりに多いようです。ローエンドのマシンやappliace gradeマシンは54mmより小さい特殊なものが使われている場合が多いです。
利用できるポルタフィルタのサイズはマシンによって決まります。エスプレッソにこだわりたいのであれば、58mmのポルタフィルターを持つマシン一択です。
これは標準サイズのバスケットを使える事でバスケットの選択肢が大幅に増え、またその品質も高いものを利用できるためです。またシャワースクリーンと呼ばれるコーヒーパックの上に置いてお湯がより均一にパック全体に行き渡るようにするものなど色々と追加アイテムの幅も広がります。
またバスケット直径が大きい事でより多くのコーヒー粉を入れてもパックの厚みを抑える事が可能です。厚みが増えすぎると圧力がかかり過ぎるなど不具合があるので、この点でも大きい58mmサイズが良いです。
なぜ小さいサイズを使うマシンがあるかと言うと、マシンのサイズ的に入れる場所がなかったり、ポンプが貧弱で大型パックに圧力をかけられなかったり、メーカーが交換部品を独占したいと言ういとがあったり、という基本ネガティブな理由が多いです。
ポルタフィルターのサイズはつけられるバスケットのサイズですが、58mmのポルタフィルターであれば他のマシン用の58mmポルタフィルターが使えるかというと一律にはそうとは言えません。これはポルタフィルターの外径直径が違ったり、ポルタフィルターをエスプレッソマシンのグループヘッドに取り付けるタブの形が違ったりとマシンによるためです。
標準的な形、サイズというものも存在しますが、ポルタフィルターを交換する場合はちゃんと自分のマシンと適合するか確認が必要です。
スパウト ボトムレス推奨
最後にポルタフィルタのスパウトの種類についてです。スパウトとはポルタフィルタの下部分についている最終的にエスプレッソが流れ出る注ぎ口です。
スパウトには基本的に三つタイプがあります。
- シングル
- ダブル
- ボトムレス
まずシングルとダブルは名前のままで注ぎ口が1つか2つあるタイプです。ダブルスパウトは一度に抽出したエスプレッソを2つのカップに分ける際に使われます。もちろんダブルスパウトの2つの注ぎ口に被るように1つのカップを置けば全て同じカップに入るので、シングルスパウトのように使うことができます。このためダブルスパウトを使うのが一般的で、シングルを使うケースはそれほどありません。
ボトムレスはスパウトがないタイプのポルタフィルタです。ネイキッドとも呼ばれます。単純にスパウトがないだけでなく、バスケットの底面が剥き出しになっています。これが重要なポイントになります。
ボトムレスの場合、写真のようにしたから抽出の様子を伺うことができます。エスプレッソの流れ方によって多くの抽出の問題点が発見できるため、特に初心者にとってボトムレスポルタフィルタは大きな武器になります。
例えば、綺麗にまとまって流れずにバスケットの一部だけからエスプレッソが流れてくる場合はパックの密度が場所によって異なることが予想されます。他には、勢いよくお湯が吹き出してくるような場合はチャネリング(Channeling)と呼ばれるパックが圧力に負けて、穴が空いてしまいそこにお湯が集中して流れる現象が発生しているとわかります。このような観察をすることでパック準備や粉の粒度の問題点を発見し修正していくことが可能になります。
またボトムレスの場合、ポルタフィルタの底面がフラットになるため、タンプがしやすいという利点もあります。平らに圧をかけられれば抽出もより均一に行えます。
さらにもう一点、スパウトが無い分ポルタフィルタの下にスペースが多くできます。これにより大きめのカップが下に楽に置けたり、抽出量を測るために下にスケールを置くことができたりします。
ボトムレスの利点を色々書きましたが、当然デメリットもあります。
シンプルなのはダブルスパウトのようにエスプレッソを分けることができないことです。まぁこれは最悪、一つのカップにまず落としてそこから分けるとかどうとでもなります。
もう一つはバスケットの底面が空いているため、パックの状態悪いとチャネリングが発生し、エスプレッソが周りに飛び散る可能性があります。ボトムレスを使う場合は周りに飛び散っても大丈夫なようにして使いましょう。
またボトムレスの問題というわけではないですが、エスプレッソマシンを購入した時に標準でボトムレスポルタフィルタが付属していない場合もあり、そのような時は別売りで購入する必要があるので余計なコストがかかる場合があるというのも注意です。
デメリットもありますが、それを補って有り余るメリットがボトムレスにはあります。
今回はエスプレッソマシンのポルタフィルタについて解説してきました。サイズやスパウトで種類があり、また詳しくは書いていませんが当然材質や見た目でも色々とあります。エスプレッソマシン選びの一検討条件としてぜひ参考にしてみてください。
バスケットの詳細については是非こちらもご覧ください。
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